運命の彼と極上の愛を〜夫の不倫の証拠集めの為に雇った探偵の彼は、沢山の愛で私を満たしてくれる〜
「これくらい全然。ほら、冷めないうちに飲んで?」
「はい、いただきます」

 用意されたミルクを入れてカップを手にした私はフーっと冷ましながら少しずつ紅茶を口にしていく。

「そういえば、替えの下着とか、スキンケアグッズが無いよね。ミスったな、コンビニに寄れば良かったね? 今から行こうか」
「あ、それなら私が自分で行ってきます。マンションの隣にコンビニがありましたよね」
「これ飲んだら一緒に行こうよ。俺も買いたい物あるしさ」
「それなら私が買ってきますから杉野さんは待っていてください」

 杉野さんに言われて下着やスキンケアグッズ、歯ブラシなど必要な物があった事に気付いて一人でコンビニに行こうとしたのだけど、

「いや、買ってきてもらうなんて悪いよ。小西さんさえ嫌じゃなければ一緒に行こう?」

 買って来て貰うのは悪いと言われ、再度一緒に行こうと誘われる。

「嫌なんて、そんな事ないです……」
「良かった。それじゃ、もう少ししたら行こう」
「はい」

 こんな事、初めてだった。

 うちのマンションのすぐ側にもコンビニがあって、貴哉の煙草が無くなるといつも一人で買いに行かされていた。

 それなのに杉野さんは頼むのが悪いだなんて、そういう考えの人もいるんだなと感心するのと同時に、一緒に行こうと言われた事が嬉しかった。
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