運命の彼と極上の愛を〜夫の不倫の証拠集めの為に雇った探偵の彼は、沢山の愛で私を満たしてくれる〜
「――ん、……小西さん」
「!」
「こんなところで寝てないで、ベッドで寝ないと疲れ、取れないよ?」
「あ……私、眠って……?」

 杉野さんがお風呂から上がるのを待つはずが、いつの間にか眠ってしまっていたようで、ベッドで眠るようにと起こされてしまう。

「あ、あの、杉野さん、私、流石にベッドを借りるなんて……」

 そもそもベッドを借りるつもりが無い事を伝えたかった私はそれを口にするも、

「遠慮なんてしなくていいよ。っていうか俺からすれば女の子を床やソファーで寝かせて自分だけベッドで寝るとか無理だし。それに、自宅に帰ったら休まらないだろうから、せめて今日ここに居る時くらいはゆっくり休めた方がいいよ、身体も心も」
「……すみません、ありがとうございます。それでは、使わせてもらいますね」

 どうにかして私にベッドを使わせたいようで、気遣ってくれる彼の厚意に甘える形でベッドを使わせて貰う選択をした。

「あの、それじゃあ……おやすみなさい」

 そうと決まれば早速寝室へ行って寝てしまおうと挨拶をした私がリビングから出ようとすると、

「――小西さん、ちょっといい?」

 すれ違いざま、杉野さんに声を掛けられると同時に腕を掴まれた私はその場に立ち止まる。

「はい?」

 そして、何事かと思いながら返事を返して次の言葉を待っていると、

「この腕の痣と、太腿の所にある痣、どうしたの?」

 私の身体にあった複数の痣が気になったらしい杉野さんがそれについて尋ねてきた。
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