詩に恋を
-文化祭前日。


「あ、亜紀ー昨日借りたCDなん…」


「愛理!!!」


私の言葉をさえぎるように


亜紀は言葉をかぶせた。


「何何何何!そんな大きい声出して。」


「愛理さー、D組に好きな人いるの?」


亜紀はニヤニヤしながら聞いてきた。


「す、好きな人ー!?いないよー!
いないいない。」


「うそ!だって愛理最近毎日わざわざ
D組通って教室来てるじゃん!」


「あぁ。あれは、ギターを聴きたくて。」


「ギター?」


「うん。D組に、すごいギター上手い人
いてさぁ。それを聴きたくてD組通ってるの!」


「なんだぁ。…ギター上手い人かぁ。どんな人?」


「んー…髪の毛は黒くてツンツンしてる。
んで、大人っぽくみえる。」


「へー。てっきり好きな人がいるのかと思った。」


私に好きな人…縁のない話だ。


好きな人なんて、できるわけない。
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