詩に恋を
「…ギターと歌、上手いね。」


「そりゃあどうも。」


「明日の文化祭でやるの?」


「やんないよ。」


「なんでー?上手いのに。」


褒めると彼の顔は赤くなった。


…シャイなんだ。(笑)


「俺、人前で歌うの好きじゃねーし。
ギターはいいけど、歌は絶対に嫌だ。」


「ふーん。ねぇ、明日の文化祭何やるの?」


「俺は、何もしないよ。
D組はクラス発表ダンスなんだけど、
俺は音響だから。お前は?」


『メイド』だなんて…言いにくい。


「私は…メイド…。」


「メイド?じゃあメイド服着るの?」


「うん。劇で、メイドやるの。」


「マジで!?ウケるな!」


案の定爆笑された。


「そんなに笑わないでよー!私だって
着たくて着るんじゃないんだから!」


「わりぃ。だってメイドって…。」


「私やることあるから!じゃ!」


私は恥ずかしくて、その場を去った。




「あ。そいえば、あんなにしゃべたのに
名前聞いてなかったな。」








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