詩に恋を
「谷川と3階の倉庫で会ったときから。」


「えぇぇ?!そんな前から?
だって前に私の名前知らないって
言ってたじゃん。」


「うん。名前までは覚えてなかったけど
顔は覚えてたんだ。」


「村里君はなんで私のこと覚えてるの?
私たち、別に仲良かったわけじゃないし。」


「覚えてないのか?
遠足のとき、谷川が飴くれたんだよ。」


「飴…?」


「うん。俺だけおやつ忘れてさ。
みんながおやつ食べてるときに
1人で座ってたら、谷川が飴くれた。」


村里君は懐かしそうに笑っていた。


「あぁ…あのときの!
へぇ~。なんかすごいね。」


「…だな。」


私は村里君に飴をあげて、


村里君は電気をつけてくれた。


本当にちっぽけなことだけど、


私はすごく大きなことに感じた。





その日から私たちは、仲良くなっていった。



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