詩に恋を
「おはよう!」


「おはよー愛理ー。なんか今日元気だね。
いいことでもあったのー?」


「ん、ちょっとね♪」


「教えてよー!」


嬉しさのあまり、亜紀たちに
昨日のことを言うのをためらっていた。







「愛理!今日お弁当、どこで食べる?」


「屋上は?」


「いいね♪じゃあ紗希と行ってるね!」


「うん!」


私はパンを買おうと購買へ向かった。


たまたま東階段で、耕也が
電話しているのを聞いてしまった。


「あ、うん。学校終わったらすぐ行く。
百合も気をつけて来いよ。じゃあ!」


・・・百合って彼女かな。


「おー愛理!」


「電話の相手、彼女でしょー?」


私は笑って、冷やかすように言った。


「まぁな。」


耕也は照れくさそうに笑う。


「・・・そっか。
彼女さんとお幸せに!」


耕也に彼女がいることを、
事実と受け止めたくなかった。


その後私はパンを買うことも、
屋上に行くことも忘れて、
1人で泣いた。


私はこの日、初めて恋の辛さを知った。
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