人生を諦めた私へ、冷酷な産業医から最大級の溺愛を。
病室
会社から近い、総合病院。
精神科病棟の個室で1人、ベッドに潜り込んでいた。
窓はあるけれど、開かない。
扉も二重になっているらしく、先生か看護師さんが来ないと、外に出られない。
「………」
実はここに来てから、かなり落ち着いていた。
大体、ベッドに横たわるなんて…何年ぶりだろう。
そのくらい、まともに寝ていなかった。
決してふかふかとは言えないけれど、柔らかな布団に…ふと涙が滲む。
自殺未遂を起こしたあの日のこと。
それを今思い返すと…自分のことなのに身が震え上がる。
精神を壊すって、本当に怖い。
自分でも何をしているのか分からないし、何を考えているのかも分からない。
…大好きなプログラミングの仕事だったのに。
自分を見失うくらい、自分を壊していた。