人生を諦めた私へ、冷酷な産業医から最大級の溺愛を。

心の悲鳴



チームメンバーが1人退職した。
鬱と診断されたらしい。


確かに最近、感情が無くなったとは思っていたけれど…まさか鬱だったなんて。




そして、1人欠けた分の皺寄せは…他のメンバーに来る。
私だって、例外では無い。



「…………」



毎日深夜残業。
会社のデスクで伏せて眠ることも、しばしば。


毎日、毎日。
朝から夜中まで、パソコンと睨めっこをする毎日。






そんな私も最近、感情が無くなり始めていた。





まず、あんなに好きだった推してるアイドルグループに、興味が無くなった。


リアタイどころか。
出演している番組すら、観ようと思う気持ちが起きない。




次に、食事に関心が無くなった。


忙しい中でも、どんな美味しい物を食べようか、そんなことを考えていたはずなのに。

今はもう、そんなことは本当にどうでも良くて。




お腹が空く感覚も忘れかけている中、生命活動の一種と思ってただ口に入れて飲み込むだけ。





なんか…もう、何もかもどうでもいい。





何で仕事をしているのか。

何が楽しいのか。

何で……生きているのか。




最後に笑ったの、いつだっけ?




大好きだったはずのプログラミングは姿を変え、私の心を殺す為の武器となっていた。





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