【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
「あの男のことだし、周りの人間を利用することくらいは平気でやりそうだよなぁ。どうにも、そんな危うさがある」
手に入れたアルテュール・プレスマンの肖像画は、美形だが特徴のない顔立ちの青年だった。なんというか、覚えにくそうな顔立ちですよね。人ごみに紛れたら、見つけにくそうな顔立ち。でも、じっと見ているとその容姿の良さが際立つ。そう言う人物。……こういう奴の方が、いろいろと面倒だったりする。
「シュゼット嬢。俺、貴女に出逢えて幸せだったんですよ。だから、何があっても俺は貴女を守ります。正直、一度死んでも生き返ってきて貴女と一緒に生きたいって、思っています」
こっそりと有名画家に描いてもらったシュゼット嬢の肖像画に、そう声をかける。笑顔が眩しくて、自分にあまり自信がなくて。自分の容姿が整っていることに気が付いていない。あと、ツッコミスキルが素晴らしい。母様にも負けない。……って、これはほとんど関係ないですか。
「でも、もしも俺がいなくなっても、俺のことを忘れないでくれたら嬉しいです。……お願いしますよ」
でもまぁ……死ぬときは、アルテュール・プレスマンも道連れにしますが。それくらい、やってもいいですよね? 憎い男と死ぬなんて、きっと反吐が出るくらい嫌でしょう。俺も、そうですし。だけど、シュゼット嬢を傷つけたのですからそれくらい勘弁してくださいね?
「ま、出来る限り生還しますか。シュゼット嬢との婚約続行の後、挙式でウェディングドレスを纏った姿を見るため。あとは……シュゼット嬢と老後まで仲良く過ごせれば、それ以上に望むことはないですね」
そう言って、口元を少し緩める。シュゼット嬢は艶やかで腰のあたりまである金色の髪を持っている。少し吊り上がっているブルーの目を持っている。そして、あの眩しいばかりの笑顔。それらすべてが俺の心をつかんで離さない。まぁ、内面も外見も全部好きですけれど!
「さて、一旦寝るか。今日はうるさい父様も領地に出向いているし、静かに寝れそうだ」
時折、夜に喧嘩を始めるのは止めてほしいんですよ。たまに花瓶が割れるような音もしますし。……後片付けをする使用人たちが哀れで仕方がありません。
「シュゼット嬢。出来れば、一緒に生きていきましょうね」
それだけを呟いて、寝台に入る。そして、目を瞑れば瞬時に眠ることが出来た。
この後に起きてしまう事件。それが……予想外の方向に転がっていくことになるなんて、想像もしなかった。
手に入れたアルテュール・プレスマンの肖像画は、美形だが特徴のない顔立ちの青年だった。なんというか、覚えにくそうな顔立ちですよね。人ごみに紛れたら、見つけにくそうな顔立ち。でも、じっと見ているとその容姿の良さが際立つ。そう言う人物。……こういう奴の方が、いろいろと面倒だったりする。
「シュゼット嬢。俺、貴女に出逢えて幸せだったんですよ。だから、何があっても俺は貴女を守ります。正直、一度死んでも生き返ってきて貴女と一緒に生きたいって、思っています」
こっそりと有名画家に描いてもらったシュゼット嬢の肖像画に、そう声をかける。笑顔が眩しくて、自分にあまり自信がなくて。自分の容姿が整っていることに気が付いていない。あと、ツッコミスキルが素晴らしい。母様にも負けない。……って、これはほとんど関係ないですか。
「でも、もしも俺がいなくなっても、俺のことを忘れないでくれたら嬉しいです。……お願いしますよ」
でもまぁ……死ぬときは、アルテュール・プレスマンも道連れにしますが。それくらい、やってもいいですよね? 憎い男と死ぬなんて、きっと反吐が出るくらい嫌でしょう。俺も、そうですし。だけど、シュゼット嬢を傷つけたのですからそれくらい勘弁してくださいね?
「ま、出来る限り生還しますか。シュゼット嬢との婚約続行の後、挙式でウェディングドレスを纏った姿を見るため。あとは……シュゼット嬢と老後まで仲良く過ごせれば、それ以上に望むことはないですね」
そう言って、口元を少し緩める。シュゼット嬢は艶やかで腰のあたりまである金色の髪を持っている。少し吊り上がっているブルーの目を持っている。そして、あの眩しいばかりの笑顔。それらすべてが俺の心をつかんで離さない。まぁ、内面も外見も全部好きですけれど!
「さて、一旦寝るか。今日はうるさい父様も領地に出向いているし、静かに寝れそうだ」
時折、夜に喧嘩を始めるのは止めてほしいんですよ。たまに花瓶が割れるような音もしますし。……後片付けをする使用人たちが哀れで仕方がありません。
「シュゼット嬢。出来れば、一緒に生きていきましょうね」
それだけを呟いて、寝台に入る。そして、目を瞑れば瞬時に眠ることが出来た。
この後に起きてしまう事件。それが……予想外の方向に転がっていくことになるなんて、想像もしなかった。