【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
けらけらと笑われながら、アルテュール様はその場に崩れ落ちる。その後、アルベール様が報告しておいてくださったらしく、カイレ子爵家の警備の人たちがアルテュール様を連れていかれた。アルテュール様は何の抵抗もせずにつれていかれたけれど、その目は口元は、楽しそうに歪んでいた。
……何が、あんなにも彼を狂わせたのだろうか。そう思うけれど、その原因の一つは私なのかもしれない。私が、執着という感情で彼を狂わせてしまったのだろうから。
「って言いますか、アルベール様! どうして目が覚めたのに連絡してくださらなかったのですか!? わ、私、心配で、心配で……!」
アルテュール様が連れていかれた後、私はアルベール様にそう抗議をした。アルベール様が眠ったままになるのではないかと、私すごく怖かったのに。
「……すみません。目が覚めたのは昨夜のことで。毒が抜けてからも、なかなか起き上がることが出来なくて。……毒に関しては、オフィエルの伝手でカトレイン嬢に抜いてもらったのでもう元気ですよ」
「うぅ」
何のよ、それ! そう思ったけれど、それは八つ当たりなのだと思い直す。それに、今はそんなことよりもアルベール様が目覚めたということの方が大切だし、嬉しい。だから、私はアルベール様の手をぎゅっと掴んだ後、その胸の中にダイブしてしまった。……こんなの、私のキャラじゃない。そう思うけれど、今はこうしていたかった。
「しゅ、シュゼット嬢!?」
アルベール様の、戸惑ったような声が聞こえてくる。だから、私は小さく「バカなのですか?」と言った。どうして、このお方は肝心な時に鈍いのよ。普通、ここまでしたら私の気持ちを、少しくらい理解してくださってもいいじゃない。
「……アルベール様が刺されて、私、自分の気持ちを理解しました」
だから、私はアルベール様の服を掴んで俯きながら、そう言う。その言葉を聞いてか、アルベール様の息をのむような声が聞こえてきた。……もしかしたら、嫌いとか言われると思っているの? だったら、心外よ。確かに今までの私だったら、この気持ちを素直に口に出すことはなかったと思う。でも、今は言いたいの。次、いつ言えるか分からないもの。
「……アルベール様。私、貴方のことを――」
――好き、になっちゃったみたいです。
私は、アルベール様のお顔を見上げ、はにかんでそう言った。自分の気持ちを、しっかりと言葉にした。
……何が、あんなにも彼を狂わせたのだろうか。そう思うけれど、その原因の一つは私なのかもしれない。私が、執着という感情で彼を狂わせてしまったのだろうから。
「って言いますか、アルベール様! どうして目が覚めたのに連絡してくださらなかったのですか!? わ、私、心配で、心配で……!」
アルテュール様が連れていかれた後、私はアルベール様にそう抗議をした。アルベール様が眠ったままになるのではないかと、私すごく怖かったのに。
「……すみません。目が覚めたのは昨夜のことで。毒が抜けてからも、なかなか起き上がることが出来なくて。……毒に関しては、オフィエルの伝手でカトレイン嬢に抜いてもらったのでもう元気ですよ」
「うぅ」
何のよ、それ! そう思ったけれど、それは八つ当たりなのだと思い直す。それに、今はそんなことよりもアルベール様が目覚めたということの方が大切だし、嬉しい。だから、私はアルベール様の手をぎゅっと掴んだ後、その胸の中にダイブしてしまった。……こんなの、私のキャラじゃない。そう思うけれど、今はこうしていたかった。
「しゅ、シュゼット嬢!?」
アルベール様の、戸惑ったような声が聞こえてくる。だから、私は小さく「バカなのですか?」と言った。どうして、このお方は肝心な時に鈍いのよ。普通、ここまでしたら私の気持ちを、少しくらい理解してくださってもいいじゃない。
「……アルベール様が刺されて、私、自分の気持ちを理解しました」
だから、私はアルベール様の服を掴んで俯きながら、そう言う。その言葉を聞いてか、アルベール様の息をのむような声が聞こえてきた。……もしかしたら、嫌いとか言われると思っているの? だったら、心外よ。確かに今までの私だったら、この気持ちを素直に口に出すことはなかったと思う。でも、今は言いたいの。次、いつ言えるか分からないもの。
「……アルベール様。私、貴方のことを――」
――好き、になっちゃったみたいです。
私は、アルベール様のお顔を見上げ、はにかんでそう言った。自分の気持ちを、しっかりと言葉にした。