【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
「はぁ、今日くらいは、いい、ですよ」
だから、私は静かにそう告げた。その瞬間、アルベール様の表情がぱぁっと明るくなり、アルベール様のお顔が私に急接近する。その後……私の唇に何かが触れた。
(って、キスはいいけれどいきなり唇にします!?)
私はそう思って一瞬パニックになるけれど、今日くらいはいいやの精神で何も言わなかった。まぁ、私もアルベール様が生還してくれて嬉しいって思っているし。これくらいで、アルベール様に報いることが出来るのならば、何度だってキスする覚悟よ。そうお、思っていたのだけれど。
「シュゼット嬢……」
ふと、アルベール様がずるずるとその場に崩れおちてしまう。いや、一体どうしたのですか? そう思って私がアルベール様のお顔を望み込むと、アルベール様はすごく青白い顔をされていた。いや、どうしてって思ったけれど、多分……。
「傷口、まだ綺麗に塞がっていなくて……。動いたら、すごく痛いんです」
「でしょうね! 私も今その可能性にたどり着きましたよ……」
アルベール様がそうおっしゃって、私のワンピースに縋ってこられる。……本当に、格好がつかない人だ。そう思って、私は「もう、人を呼びますよ!」と言ってアルベール様を支えた。あぁ、重いわ。
「うぅ、シュゼット嬢、ご迷惑をおかけします……」
「その自覚があるのでしたら、早く治してください」
私はアルベール様をソファーに寝かせて、そのまま侍女を呼びに走った。
アルベール様は本当に格好がつかないお方だ。せっかくならば、最後までかっこよくしてほしい。そう思ったけれど、まぁ、あのお方だから無理よね。そう思ってしまう。そのまま私が廊下に出れば、すぐにエスメーと出くわした。
「エスメー、アルベール様が……」
私がそう言えば、エスメーは一瞬だけ驚いたような表情をしたものの、すぐに「はい!」と言って私のお部屋に向かってくれる。
これで、平和が訪れればいいのだけれど。そう思いながらも、私はエスメーの後に続いて自分のお部屋に戻る。窓から見える空は、真っ青で。とても、美しかった。
だから、私は静かにそう告げた。その瞬間、アルベール様の表情がぱぁっと明るくなり、アルベール様のお顔が私に急接近する。その後……私の唇に何かが触れた。
(って、キスはいいけれどいきなり唇にします!?)
私はそう思って一瞬パニックになるけれど、今日くらいはいいやの精神で何も言わなかった。まぁ、私もアルベール様が生還してくれて嬉しいって思っているし。これくらいで、アルベール様に報いることが出来るのならば、何度だってキスする覚悟よ。そうお、思っていたのだけれど。
「シュゼット嬢……」
ふと、アルベール様がずるずるとその場に崩れおちてしまう。いや、一体どうしたのですか? そう思って私がアルベール様のお顔を望み込むと、アルベール様はすごく青白い顔をされていた。いや、どうしてって思ったけれど、多分……。
「傷口、まだ綺麗に塞がっていなくて……。動いたら、すごく痛いんです」
「でしょうね! 私も今その可能性にたどり着きましたよ……」
アルベール様がそうおっしゃって、私のワンピースに縋ってこられる。……本当に、格好がつかない人だ。そう思って、私は「もう、人を呼びますよ!」と言ってアルベール様を支えた。あぁ、重いわ。
「うぅ、シュゼット嬢、ご迷惑をおかけします……」
「その自覚があるのでしたら、早く治してください」
私はアルベール様をソファーに寝かせて、そのまま侍女を呼びに走った。
アルベール様は本当に格好がつかないお方だ。せっかくならば、最後までかっこよくしてほしい。そう思ったけれど、まぁ、あのお方だから無理よね。そう思ってしまう。そのまま私が廊下に出れば、すぐにエスメーと出くわした。
「エスメー、アルベール様が……」
私がそう言えば、エスメーは一瞬だけ驚いたような表情をしたものの、すぐに「はい!」と言って私のお部屋に向かってくれる。
これで、平和が訪れればいいのだけれど。そう思いながらも、私はエスメーの後に続いて自分のお部屋に戻る。窓から見える空は、真っ青で。とても、美しかった。