【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
「とりあえず、俺には財力があります。顔もまぁまぁいいでしょう。あとは、シュゼット嬢にこの気持ちが伝われば……無事夫婦になれるはず。そうだ、そうに決まっている」
シュゼット嬢にこの気持ちが伝われば、間違いなく夫婦になれる。俺が侯爵家の生まれということもあり、挙式は国一の由緒正しい教会で行うことになるでしょうが、絶対にシュゼット嬢のウエディングドレスは俺が一番最初に見る。どんなウエディングドレスが良いだろうか。美しい系統でも、可愛らしい系統でも。どちらでも似合う。……いっそ、何回でも着てほしいぐらい。
と言いますか、こんなことを考えている場合じゃない。シュゼット嬢との挙式の妄想などもう何千回もしていますし。今更か。あと、夢でも百回以上挙式を行っている。だから、今はそれよりも本当にシュゼット嬢との挙式が夢になりかねないことの方が重要。……しかし、どうしたものか。
「……仕方がない。不本意ですが、背に腹は代えられない。……あの父に、教えを乞おう」
正直、あの父親は苦手だ。だが、気難しいことで有名だった勝気美人である俺の母親を口説き落とした経歴だけは、認めている。しかし、あの父親はほとんど顔だけの男ではあるため、あの人に教えを乞うのは本当に不本意だ。……というか、あの父親は俺の母親以外の人間を必要としていない。だから、俺に対しても他人と接するような態度で接してくる。……ですが、それはよくよく考えれば俺と一緒なのでは……?
「俺もシュゼット嬢しか必要としていない。まさか、この執着心と愛情の重さは遺伝……!」
その結論にたどり着いた時、なんだか悟りのようなものが開けた気がした。よし、もうどうでもいい。プライドなんて捨てるに限る。あの顔だけの父親に教えを乞おう。……と言いますか、そうしないとほかの男の隣でシュゼット嬢が笑うことになってしまう。そんなの、耐えられない。そんなことになればシュゼット嬢を殺して俺も死ぬ。
「……今の時間ならば、暇そうですね」
俺はそうつぶやいて、自室を出ていく。どうにかして、愛しの婚約者の苦手意識を取り除かなくては。
それが俺、アルベール・クールナンの今の目標なのだ――……。
シュゼット嬢にこの気持ちが伝われば、間違いなく夫婦になれる。俺が侯爵家の生まれということもあり、挙式は国一の由緒正しい教会で行うことになるでしょうが、絶対にシュゼット嬢のウエディングドレスは俺が一番最初に見る。どんなウエディングドレスが良いだろうか。美しい系統でも、可愛らしい系統でも。どちらでも似合う。……いっそ、何回でも着てほしいぐらい。
と言いますか、こんなことを考えている場合じゃない。シュゼット嬢との挙式の妄想などもう何千回もしていますし。今更か。あと、夢でも百回以上挙式を行っている。だから、今はそれよりも本当にシュゼット嬢との挙式が夢になりかねないことの方が重要。……しかし、どうしたものか。
「……仕方がない。不本意ですが、背に腹は代えられない。……あの父に、教えを乞おう」
正直、あの父親は苦手だ。だが、気難しいことで有名だった勝気美人である俺の母親を口説き落とした経歴だけは、認めている。しかし、あの父親はほとんど顔だけの男ではあるため、あの人に教えを乞うのは本当に不本意だ。……というか、あの父親は俺の母親以外の人間を必要としていない。だから、俺に対しても他人と接するような態度で接してくる。……ですが、それはよくよく考えれば俺と一緒なのでは……?
「俺もシュゼット嬢しか必要としていない。まさか、この執着心と愛情の重さは遺伝……!」
その結論にたどり着いた時、なんだか悟りのようなものが開けた気がした。よし、もうどうでもいい。プライドなんて捨てるに限る。あの顔だけの父親に教えを乞おう。……と言いますか、そうしないとほかの男の隣でシュゼット嬢が笑うことになってしまう。そんなの、耐えられない。そんなことになればシュゼット嬢を殺して俺も死ぬ。
「……今の時間ならば、暇そうですね」
俺はそうつぶやいて、自室を出ていく。どうにかして、愛しの婚約者の苦手意識を取り除かなくては。
それが俺、アルベール・クールナンの今の目標なのだ――……。