【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
「……そもそも、あのお花だって量が多すぎますよ! せめて、花束一つに出来なかったのですか?」
「いえ、量が重要、インパクト重視だと言われたので」
「量より質っていう言葉、知っていらっしゃいますか? あれじゃあ家で花屋が開けますよ、本当に」
アルベール様が私にプレゼントしてくださった花々は、使用人たちに指示してしっかりと屋敷の中に飾ってもらうことになった。しばらくは、屋敷中でお花が見られるだろう。……とても高価なお花が。お父様方、帰ってきてひっくり返らないといいけれど。
そんなことを思って私が呆れていると、ふとアルベール様が私の手を凝視されていることに気が付いた。……何か、あっただろうか? そう思ったけれど、その原因はすぐに分かった。多分、この間いただいた指輪を私が付けているからだ。
「アルベール様? どうかなさいましたか?」
「……あぁ、いえ。やっぱり、似合っているなぁって思いまして……指輪」
アルベール様はそうおっしゃって、少しだけ口元を緩められた。それは、きっと喜びからなのだろう。……私はこの指輪を付けているとひやひやものですけれどね。主に、落とさないかという意味で。出来ればずっとしまい込んでいたい。けど、いただいた以上付けるのが礼儀かなぁって思った。ただ、それだけの理由で付けている。
「いえ、量が重要、インパクト重視だと言われたので」
「量より質っていう言葉、知っていらっしゃいますか? あれじゃあ家で花屋が開けますよ、本当に」
アルベール様が私にプレゼントしてくださった花々は、使用人たちに指示してしっかりと屋敷の中に飾ってもらうことになった。しばらくは、屋敷中でお花が見られるだろう。……とても高価なお花が。お父様方、帰ってきてひっくり返らないといいけれど。
そんなことを思って私が呆れていると、ふとアルベール様が私の手を凝視されていることに気が付いた。……何か、あっただろうか? そう思ったけれど、その原因はすぐに分かった。多分、この間いただいた指輪を私が付けているからだ。
「アルベール様? どうかなさいましたか?」
「……あぁ、いえ。やっぱり、似合っているなぁって思いまして……指輪」
アルベール様はそうおっしゃって、少しだけ口元を緩められた。それは、きっと喜びからなのだろう。……私はこの指輪を付けているとひやひやものですけれどね。主に、落とさないかという意味で。出来ればずっとしまい込んでいたい。けど、いただいた以上付けるのが礼儀かなぁって思った。ただ、それだけの理由で付けている。