【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
「……アルベールにも子が出来たら、きっとお前みたいになるのだろうな。……いや、恐ろしい」
「自分の息子を捕まえて何言っているのですか。俺の子供はシュゼット嬢にそっくりな女の子ですから。この血筋は関係ありません」
「お前、このクールナン侯爵家の血筋を甘く見ているな? かれこれ二百年、女児は生まれていないぞ? 男家系の見本みたいな家だぞ? 女の子なんて生まれるわけがないだろ!」
俺の肩の上で暴れる父様に、冷たい視線を向ける。何故そこまで暴れるのかといえば、父様も女の子が欲しかったそうだ。出来れば、母様そっくりの。でも、生まれたのは俺。その時、このクールナン侯爵家の血筋の恐ろしさを知ったらしい。……いや、恐ろしさはもっと別のところにある気もするのですが……。
「そもそも、だったら俺以外にも子供作ればよかったじゃないですか」
「バカを言うな。子供は一人で十分だ。跡取りさえいればいいからな。じゃないと、ティナが俺に構ってくれなくなる」
「自信満々に言って、理由はそれですか。母様に呆れられますよ」
「大丈夫、ティナはこの俺の気持ちを知っている。泣きついたら叶えてくれたからな。やっぱりティナは優しいんだ」
「……母様の苦労が、よく見えますよ」
心の中でため息をつきながら、俺はそんなことを言う。そもそも、このクールナン侯爵家の子供はいつも一人か二人のみ。それは、妻を独占したいこの家の男が原因だとかなんとか。いや、俺はそういうことは考えませんけれどね。シュゼット嬢にそっくりな子だったら、何人いてもいいです。本当に。養えるだけの財力はありますから。
「自分の息子を捕まえて何言っているのですか。俺の子供はシュゼット嬢にそっくりな女の子ですから。この血筋は関係ありません」
「お前、このクールナン侯爵家の血筋を甘く見ているな? かれこれ二百年、女児は生まれていないぞ? 男家系の見本みたいな家だぞ? 女の子なんて生まれるわけがないだろ!」
俺の肩の上で暴れる父様に、冷たい視線を向ける。何故そこまで暴れるのかといえば、父様も女の子が欲しかったそうだ。出来れば、母様そっくりの。でも、生まれたのは俺。その時、このクールナン侯爵家の血筋の恐ろしさを知ったらしい。……いや、恐ろしさはもっと別のところにある気もするのですが……。
「そもそも、だったら俺以外にも子供作ればよかったじゃないですか」
「バカを言うな。子供は一人で十分だ。跡取りさえいればいいからな。じゃないと、ティナが俺に構ってくれなくなる」
「自信満々に言って、理由はそれですか。母様に呆れられますよ」
「大丈夫、ティナはこの俺の気持ちを知っている。泣きついたら叶えてくれたからな。やっぱりティナは優しいんだ」
「……母様の苦労が、よく見えますよ」
心の中でため息をつきながら、俺はそんなことを言う。そもそも、このクールナン侯爵家の子供はいつも一人か二人のみ。それは、妻を独占したいこの家の男が原因だとかなんとか。いや、俺はそういうことは考えませんけれどね。シュゼット嬢にそっくりな子だったら、何人いてもいいです。本当に。養えるだけの財力はありますから。