【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
「アルベール。本日は、来てくれて感謝するよ」
私がそんなことを思っていると、一人の青年が私とアルベール様の前に現れる。その青年は綺麗なふわふわとした金色の髪と、アメジスト色の目を持っていらっしゃって。背丈はアルベール様とちょうど同じぐらいの高さだけれど、何処か華奢に見える。そして、身に纏っている衣装はとても豪奢で、人目を惹きつけるものだった。
「あぁ、オフィエル。本日はお招き、ありがとうございます」
そんなアルベール様のお言葉で、私はハッとする。この絶世の美青年に見惚れていたけれど、このお方は――オフィエル・テーリンゲン様、なのよね。
「アルベール。そちらが、キミの婚約者?」
「えぇ、そうですよ」
オフィエル様はそうおっしゃって、私に視線を向けてこられる。だから、私は慌てて「シュゼット・カイレと申します!」と自己紹介をした。正直、オフィエル様のことは遠目から見ることしかなかった。だから、実際にこのお美しい容姿を間近で見てしまうと……目が、潰れてしまいそう。
「そう、シュゼット嬢だね。俺はオフィエル・テーリンゲン。このテーリンゲン公爵家の次男だ。常々、キミとは会ってお話がしてみたいと思っていた」
「……とおっしゃいますと?」
「俺の最愛の婚約者であるカトレインが、キミには仲良くしてもらっていると常々言っていたからね。ぜひともお礼を、と思った。あと、アルベールの想い人が見たかった好奇心が半分」
そうおっしゃって、オフィエル様はふんわりと笑われる。アルベール様とはまた違った魅力のあるオフィエル様のことを、私は呆然と見つめてしまった。だからだろうか、アルベール様が露骨に不貞腐れてしまわれる。
「……シュゼット嬢は、俺の婚約者なのに……」
ボソッと聞こえてきたそのお言葉は、確かにここ最近のアルベール様のもので。だから、私は「別に浮気じゃありませんよ」とアルベール様にだけ聞こえる音量で言った。オフィエル様を、好きになることはないの。そう言う意味を、込めていた。
私がそんなことを思っていると、一人の青年が私とアルベール様の前に現れる。その青年は綺麗なふわふわとした金色の髪と、アメジスト色の目を持っていらっしゃって。背丈はアルベール様とちょうど同じぐらいの高さだけれど、何処か華奢に見える。そして、身に纏っている衣装はとても豪奢で、人目を惹きつけるものだった。
「あぁ、オフィエル。本日はお招き、ありがとうございます」
そんなアルベール様のお言葉で、私はハッとする。この絶世の美青年に見惚れていたけれど、このお方は――オフィエル・テーリンゲン様、なのよね。
「アルベール。そちらが、キミの婚約者?」
「えぇ、そうですよ」
オフィエル様はそうおっしゃって、私に視線を向けてこられる。だから、私は慌てて「シュゼット・カイレと申します!」と自己紹介をした。正直、オフィエル様のことは遠目から見ることしかなかった。だから、実際にこのお美しい容姿を間近で見てしまうと……目が、潰れてしまいそう。
「そう、シュゼット嬢だね。俺はオフィエル・テーリンゲン。このテーリンゲン公爵家の次男だ。常々、キミとは会ってお話がしてみたいと思っていた」
「……とおっしゃいますと?」
「俺の最愛の婚約者であるカトレインが、キミには仲良くしてもらっていると常々言っていたからね。ぜひともお礼を、と思った。あと、アルベールの想い人が見たかった好奇心が半分」
そうおっしゃって、オフィエル様はふんわりと笑われる。アルベール様とはまた違った魅力のあるオフィエル様のことを、私は呆然と見つめてしまった。だからだろうか、アルベール様が露骨に不貞腐れてしまわれる。
「……シュゼット嬢は、俺の婚約者なのに……」
ボソッと聞こえてきたそのお言葉は、確かにここ最近のアルベール様のもので。だから、私は「別に浮気じゃありませんよ」とアルベール様にだけ聞こえる音量で言った。オフィエル様を、好きになることはないの。そう言う意味を、込めていた。