【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
「カトレイン様」
オフィエル様との会話が終わったようなので、私もカトレイン様に声をかける。そう言えば、昔は「身分が下の者は上の者に水から話しかけてはならない」という決まりがあったそうだ。今はその決まりは廃れてほとんど機能していないのだけれど。でも、少し年配の方になるとその決まりを気にする方もいらっしゃるのよね。
「まぁ、シュゼットさ……ま」
カトレイン様が、私に笑顔を向けてくださる。でも、すぐに硬直されていた。……ですよね~。私のことを後ろから抱きしめる大男。普通に考えて、引くわよ。しかも多分だけれど、アルベール様周囲の男性を滅茶苦茶威嚇されている。
「……シュゼット、さま? えっと……後ろのお方は、婚約者であられるクールナン侯爵家の……お方?」
「えぇ、そうですわ。……訳がありまして、私にくっついていらっしゃるの」
オブラートに包んだつもりだったけれど、後から考えれば大してオブラートに包んでいないわ。むしろ、ほぼ直球だわ。そう思い、後の私が頭を抱えることになるなど、今の私は知らない。
オフィエル様との会話が終わったようなので、私もカトレイン様に声をかける。そう言えば、昔は「身分が下の者は上の者に水から話しかけてはならない」という決まりがあったそうだ。今はその決まりは廃れてほとんど機能していないのだけれど。でも、少し年配の方になるとその決まりを気にする方もいらっしゃるのよね。
「まぁ、シュゼットさ……ま」
カトレイン様が、私に笑顔を向けてくださる。でも、すぐに硬直されていた。……ですよね~。私のことを後ろから抱きしめる大男。普通に考えて、引くわよ。しかも多分だけれど、アルベール様周囲の男性を滅茶苦茶威嚇されている。
「……シュゼット、さま? えっと……後ろのお方は、婚約者であられるクールナン侯爵家の……お方?」
「えぇ、そうですわ。……訳がありまして、私にくっついていらっしゃるの」
オブラートに包んだつもりだったけれど、後から考えれば大してオブラートに包んでいないわ。むしろ、ほぼ直球だわ。そう思い、後の私が頭を抱えることになるなど、今の私は知らない。