【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
「あぁ、すみません。ついつい興奮してしまって……! シュゼット嬢に久々に会えたと思ったら、胸が高鳴りまして……!」
「それは、一度侍医に見ていただいた方がいいかと思います。多分、病気ですね」
「俺はシュゼット嬢に惚れているので、いつも病気ですね!」
……もう嫌だ。あぁいえばこうおっしゃる。そう思いながら、私は小さく「はぁ」とため息をついた後、アルベール様に「それで、お見舞いの品とは?」と問いかける。すると、アルベール様はご自分で持ってこられたのだろう、一つの紙袋を私に手渡してくださった。……これだけ、ですよね? この後、この紙袋が百個とか出てきませんよね?
「……これ、は」
「クールナン侯爵領のとある街にある洋菓子店のプリンです。作ったその日に食べないといけないので、朝買ってきました!」
「……いえ、ちょっと待ってください。クールナン侯爵領って結構遠かったような……」
「えぇ、そこそこ遠いですね。でも、馬を走らせて行ってきました!」
そんな風に堂々とおっしゃるアルベール様に、呆れてしまう。クールナン侯爵量は多分普通に馬車を走らせれば往復で四時間から五時間程度かかると思う。しかも、横長なので離れているところはかなり離れている。……馬に乗って行ったとしても、限度がある。あぁ、だから午後からのお見舞いだったのね。少しおかしいと思っていたのよ。
「このプリン、行列が出来るほど美味しいらしくて。病人ですし、ケーキとかよりも柔らかいプリンの方がいいと思いまして……」
アルベール様が、少し照れくさそうな表情を浮かべられてそうおっしゃる。そんな表情を見つめた後、私はプリンが入っているという紙袋の中を覗き込んだ。中には五つのプリンが入っているみたい。……お父様、お母様。お兄様、お義姉様。それから私。ちょうど五つね。
「それは、一度侍医に見ていただいた方がいいかと思います。多分、病気ですね」
「俺はシュゼット嬢に惚れているので、いつも病気ですね!」
……もう嫌だ。あぁいえばこうおっしゃる。そう思いながら、私は小さく「はぁ」とため息をついた後、アルベール様に「それで、お見舞いの品とは?」と問いかける。すると、アルベール様はご自分で持ってこられたのだろう、一つの紙袋を私に手渡してくださった。……これだけ、ですよね? この後、この紙袋が百個とか出てきませんよね?
「……これ、は」
「クールナン侯爵領のとある街にある洋菓子店のプリンです。作ったその日に食べないといけないので、朝買ってきました!」
「……いえ、ちょっと待ってください。クールナン侯爵領って結構遠かったような……」
「えぇ、そこそこ遠いですね。でも、馬を走らせて行ってきました!」
そんな風に堂々とおっしゃるアルベール様に、呆れてしまう。クールナン侯爵量は多分普通に馬車を走らせれば往復で四時間から五時間程度かかると思う。しかも、横長なので離れているところはかなり離れている。……馬に乗って行ったとしても、限度がある。あぁ、だから午後からのお見舞いだったのね。少しおかしいと思っていたのよ。
「このプリン、行列が出来るほど美味しいらしくて。病人ですし、ケーキとかよりも柔らかいプリンの方がいいと思いまして……」
アルベール様が、少し照れくさそうな表情を浮かべられてそうおっしゃる。そんな表情を見つめた後、私はプリンが入っているという紙袋の中を覗き込んだ。中には五つのプリンが入っているみたい。……お父様、お母様。お兄様、お義姉様。それから私。ちょうど五つね。