【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
いきなりアルベール様が私のことを抱きしめてこられるものだから、私は手を伸ばして助けを求める。しかし、今この場には私とアルベール様しかいない。つまり、誰も助けてくれない。私、きっとここでアルベール様に抱きしめ殺されるのだわ……。骨は拾って頂戴。享年十七歳。短い人生だったわね……。
「あの、シュゼット嬢、細くありませんか? これで生きていけるのですか?」
「生きていけますよ! 私は女性の標準体型です! ……胸以外。アルベール様と比べたら、か弱く見えるかもしれませんが……」
「そう言うものですか。あぁ、でもか弱いのならば俺が守りますね!」
「……ほどほどにお願いしますよ」
私はそう答えてアルベール様に呆れたような視線を向ける。でも、守っていただけるのは素直にありがたい……の、かな? 普通の女性だったら、喜ぶような言葉よね。私は、手放しに喜べないのだけれど。
「あぁ、そう言えば。この間はプリンをありがとうございました。とても美味しかったですよ」
「そうですか! お口に合ってよかったです! じゃあ、今度は……」
「せめて五つにしてくださいね。当日に食べなくちゃいけないので、一人一つで十分です」
ぱぁっとお顔を明るくされたアルベール様に、私はそう釘をさす。アルベール様のことだ。お店のプリンをすべて買い占めることくらい容易くしてしまいそうだ。だから、私が止めなくちゃ。そもそも、行列が出来る洋菓子店みたいだから、買い占めたら迷惑よ。
「あの、シュゼット嬢、細くありませんか? これで生きていけるのですか?」
「生きていけますよ! 私は女性の標準体型です! ……胸以外。アルベール様と比べたら、か弱く見えるかもしれませんが……」
「そう言うものですか。あぁ、でもか弱いのならば俺が守りますね!」
「……ほどほどにお願いしますよ」
私はそう答えてアルベール様に呆れたような視線を向ける。でも、守っていただけるのは素直にありがたい……の、かな? 普通の女性だったら、喜ぶような言葉よね。私は、手放しに喜べないのだけれど。
「あぁ、そう言えば。この間はプリンをありがとうございました。とても美味しかったですよ」
「そうですか! お口に合ってよかったです! じゃあ、今度は……」
「せめて五つにしてくださいね。当日に食べなくちゃいけないので、一人一つで十分です」
ぱぁっとお顔を明るくされたアルベール様に、私はそう釘をさす。アルベール様のことだ。お店のプリンをすべて買い占めることくらい容易くしてしまいそうだ。だから、私が止めなくちゃ。そもそも、行列が出来る洋菓子店みたいだから、買い占めたら迷惑よ。