【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
そんなアルベール様のお言葉で、リーセロット様は口を閉ざされる。その後、アルベール様は私の肩に手を回して私の身体をご自身の方に引き寄せられた。……って、近い近い! どうしてそんなにもお顔が急接近しているのですか!? 先ほどまで、こんな空気じゃなかったですよね!?
「リーセロット嬢は、もう少し自分の言葉が実家に与える影響を知った方が良いと思いますよ。……確かに、シュゼット嬢は子爵家の生まれです。ですが、俺の婚約者になった時点で、クールナン侯爵家の人間に等しいですから」
いや、それは少々強引な意見では……? 私はそう思ってアルベール様に視線を向けるけれど、アルベール様は視線だけで「黙っていてください」とおっしゃる。……アイコンタクト、出来るようになってしまったわ……。何故私、アルベール様との距離が縮まっているのかしら?
「……で、ですが、わたくしはアルベール様を諦めませんわ! その女との婚約は、絶対に破棄させてみせます! そして、わたくしを愛していると言わせてみせますわ!」
「……絶対にないでしょうが、出来るものならばやってみてくださいよ。シュゼット嬢、行きましょうか」
「あ、はい」
突然のお話を振られ、私は適当に返事をする。そして、アルベール様に肩を抱かれ連れ出される。……周りの視線が、痛い。そう思ったから、私はただその場で俯くことしか出来ない。多分、あの光景は周囲から痴話喧嘩だと思われたのだろうけれど。でも……。
「アルベール様。街中であんな騒ぎ、起こさないでくださいよ……」
貴族の愛情のもつれなど、平民からすれば面白いネタでしかない。だから、私はそう言ってアルベール様に軽くパンチを与えた。……もう、慣れてしまったからだろうか。アルベール様を攻撃することに躊躇いがなくなっている。……それは、クールナン侯爵夫人のおっしゃっている通りだった。
「リーセロット嬢は、もう少し自分の言葉が実家に与える影響を知った方が良いと思いますよ。……確かに、シュゼット嬢は子爵家の生まれです。ですが、俺の婚約者になった時点で、クールナン侯爵家の人間に等しいですから」
いや、それは少々強引な意見では……? 私はそう思ってアルベール様に視線を向けるけれど、アルベール様は視線だけで「黙っていてください」とおっしゃる。……アイコンタクト、出来るようになってしまったわ……。何故私、アルベール様との距離が縮まっているのかしら?
「……で、ですが、わたくしはアルベール様を諦めませんわ! その女との婚約は、絶対に破棄させてみせます! そして、わたくしを愛していると言わせてみせますわ!」
「……絶対にないでしょうが、出来るものならばやってみてくださいよ。シュゼット嬢、行きましょうか」
「あ、はい」
突然のお話を振られ、私は適当に返事をする。そして、アルベール様に肩を抱かれ連れ出される。……周りの視線が、痛い。そう思ったから、私はただその場で俯くことしか出来ない。多分、あの光景は周囲から痴話喧嘩だと思われたのだろうけれど。でも……。
「アルベール様。街中であんな騒ぎ、起こさないでくださいよ……」
貴族の愛情のもつれなど、平民からすれば面白いネタでしかない。だから、私はそう言ってアルベール様に軽くパンチを与えた。……もう、慣れてしまったからだろうか。アルベール様を攻撃することに躊躇いがなくなっている。……それは、クールナン侯爵夫人のおっしゃっている通りだった。