【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
「そ、そもそも! アルベール様を取られたから嫉妬したわけじゃないかもしれませんよ!?」
「いいえ、シュゼット嬢は身分には興味がないですし、それ以外考えられません!」
「それはそうですけれどね……」
私は、大して身分というものに興味がない。だから、アルベール様のおっしゃっていることは正しい。でも、今は悔しい気がする。だって、アルベール様に上をいかれたのだもの。……まぁ、なんだか悪い気はしないのだけれど。
「アルベール様、放してください。私、このまま注目されすぎて羞恥心で死にます」
「……分かりました。シュゼット嬢を殺したくないので、とりあえずは解放します」
「それでいいです」
まるで漫才のような会話を交わしながら、私とアルベール様は人だかりから逃げた。いや、アルベール様のお顔が良いから、女性の視線は常に浴びているような感じなのだけれど。だけど、アルベール様の視線は私に向け続けられている。……相変わらず、素晴らしい執着心ですね。
「シュゼット嬢、俺とずっと一緒にいてくださいね? 世界が滅亡しても、死ぬまで俺と一緒にいてくださいね? それこそ、死んでも一緒にいてほしいです。来世でも夫婦になりたいです!」
「いや、私たちまだ夫婦になっていない……」
「来世はどんな形で出逢いましょうか?」
「聞いていますか、私の言葉」
妄想を始めたアルベール様には、私の言葉さえ届かなくなる。それを分かっていたからこそ、私は小さく「はぁ」とため息をついてアルベール様から視線を逸らした。……相変わらず、愛が重すぎる。来世でも一緒、か。そんなの、出来るわけがないじゃない。そう思う反面、なんだかアルベール様だったら執念で成し遂げてしまいそうだな……と思う気持ちも少なからずある。いや、私はどうしろというのだ。
「いいえ、シュゼット嬢は身分には興味がないですし、それ以外考えられません!」
「それはそうですけれどね……」
私は、大して身分というものに興味がない。だから、アルベール様のおっしゃっていることは正しい。でも、今は悔しい気がする。だって、アルベール様に上をいかれたのだもの。……まぁ、なんだか悪い気はしないのだけれど。
「アルベール様、放してください。私、このまま注目されすぎて羞恥心で死にます」
「……分かりました。シュゼット嬢を殺したくないので、とりあえずは解放します」
「それでいいです」
まるで漫才のような会話を交わしながら、私とアルベール様は人だかりから逃げた。いや、アルベール様のお顔が良いから、女性の視線は常に浴びているような感じなのだけれど。だけど、アルベール様の視線は私に向け続けられている。……相変わらず、素晴らしい執着心ですね。
「シュゼット嬢、俺とずっと一緒にいてくださいね? 世界が滅亡しても、死ぬまで俺と一緒にいてくださいね? それこそ、死んでも一緒にいてほしいです。来世でも夫婦になりたいです!」
「いや、私たちまだ夫婦になっていない……」
「来世はどんな形で出逢いましょうか?」
「聞いていますか、私の言葉」
妄想を始めたアルベール様には、私の言葉さえ届かなくなる。それを分かっていたからこそ、私は小さく「はぁ」とため息をついてアルベール様から視線を逸らした。……相変わらず、愛が重すぎる。来世でも一緒、か。そんなの、出来るわけがないじゃない。そう思う反面、なんだかアルベール様だったら執念で成し遂げてしまいそうだな……と思う気持ちも少なからずある。いや、私はどうしろというのだ。