私と彼の溺愛練習帳 番外編
「いいなー。愛し愛されてて」
「そ、そんなことないよ!」
 雪音は慌てて否定するが、すでに頬は赤い。

「私も素敵な恋人ができるといいな」
「できるよ」
 そうかなあ、と美和は首をかしげる。

 閃理を見たあとだと、たいていの男は霞んでしまう。なにかの世界チャンピオンとか、それくらいのステータスがないとな、と思う。

 まあ、そんな人と出会うことなんてないんだけど。

「あ、行きたいショップがあるの忘れてた」
 ふいに思い出し、美和は声を上げた。

「先輩が好きそうな小物とかあるんです。行きましょ!」
「ありがとう」
 雪音が笑顔で答える。
 美和はうきうきと彼女を先導した。

 やっぱり恋なんか当分いいや。友達と遊ぶほうが楽しいもの。

 日差しが明るく照らす道を、美和と雪音は笑いあいながら、歩いて行った。



美和と友達のおでかけ記・終
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