夜の魔王と呼ばれる男、実は過保護で激甘でした
そして今…
泣き疲れて俺の腕の中で眠ってしまった由亜を、守りたいと強く思う。
このまま離れたくない、離したくないと思った時、気付けば自分の家に連れ帰ってしまっていた。
自分のベッドに寝かし、その無垢な寝顔を見て実感する。俺は彼女を誰よりも深く愛していると…。
誰も入れた事の無い俺だけの要塞に彼女がいる。
そんな優越感に浸りながら、そのあどけない寝顔を堪能する。
これは保護なのか、はたまた拉致なのか…。
優越感と罪悪感で気持ちが行ったり来たりする。
彼女が目を覚ました時…なんて言われるだろうか。
心配しながらもとりあえず、シャワーを浴びて心を落ち着かせる。
ベッドに戻り彼女の存在を確かめると、傍らに置いた彼女の鞄の中で、スマホが鳴っている事に気付く。
誰かが心配しているのではと、鞄を開けてスマホを見れば『京ちゃん』の文字…
俺は途端に罪の意識に苛まれる。
まずは京香と向き合って、話し合わなければならないと、由亜の気持ちを汲んでスマホをタップする。
『もしもし、由亜?どこに居るの?終電乗れなかったの?』
京香の声が聞こえてくる。
「こんばんは、真壁と申します。
私、『colors』のオーナーをしている者でして、由亜さんですが少し体調を崩されまして、今、寝かしております。
夜も遅いですし、これから起こすのも忍びない為、今夜はこちらで預からせて頂きますでご安心下さい。」
出来るだけ丁寧に説明する。
『…もしかして…翔魔?』
明らかに動揺した京香の声が聞こえてきた。
「はい、そうです。ご無沙汰しております。事情は彼女から少し伺いました。
体調を崩されているとお聞きしました。
私のせいであなたの人生を台無しにしたのなら、申し訳ない事をしたと、深くお詫びします。」
俺は嘘偽り無く誠意を持って謝罪を述べる。
『貴方に…謝って欲しいと…思った事は一度も、ありません…。』
声を震わせながら、京香がそう言ってくる。
「いえ、貴女の心を壊してしまった事は、私の責任でもあります。時間を頂けるならば是非、一度どこかでお会いして、ちゃんと謝罪させて下さい。」
『私は自分が立ち直る為に、貴方を悪者に仕立上げて利用したの。由亜はそんな私の忠実なしもべよ。貴方が由亜を大事に思えば思うほど、私達の復讐は成し遂げられるの。』
ふふふっと不気味に笑い、感情の分からない声で京香はそう言う。
俺は拳を握り締め、どんな形にせよ俺の存在のせいで、醜く曲がってしまった京香の心と、それに従い思い悩む、由亜の純粋な忠誠心を救いたいと強く思う。
とりあえず、後日会う事を約束して電話を切る。
全ては動き出した。
彼女が目を覚ました時、本当の彼女の心を手に入れる為には、誠心誠意京香と向き合う事意外、今の俺に手段は無いと覚悟する。
泣き疲れて俺の腕の中で眠ってしまった由亜を、守りたいと強く思う。
このまま離れたくない、離したくないと思った時、気付けば自分の家に連れ帰ってしまっていた。
自分のベッドに寝かし、その無垢な寝顔を見て実感する。俺は彼女を誰よりも深く愛していると…。
誰も入れた事の無い俺だけの要塞に彼女がいる。
そんな優越感に浸りながら、そのあどけない寝顔を堪能する。
これは保護なのか、はたまた拉致なのか…。
優越感と罪悪感で気持ちが行ったり来たりする。
彼女が目を覚ました時…なんて言われるだろうか。
心配しながらもとりあえず、シャワーを浴びて心を落ち着かせる。
ベッドに戻り彼女の存在を確かめると、傍らに置いた彼女の鞄の中で、スマホが鳴っている事に気付く。
誰かが心配しているのではと、鞄を開けてスマホを見れば『京ちゃん』の文字…
俺は途端に罪の意識に苛まれる。
まずは京香と向き合って、話し合わなければならないと、由亜の気持ちを汲んでスマホをタップする。
『もしもし、由亜?どこに居るの?終電乗れなかったの?』
京香の声が聞こえてくる。
「こんばんは、真壁と申します。
私、『colors』のオーナーをしている者でして、由亜さんですが少し体調を崩されまして、今、寝かしております。
夜も遅いですし、これから起こすのも忍びない為、今夜はこちらで預からせて頂きますでご安心下さい。」
出来るだけ丁寧に説明する。
『…もしかして…翔魔?』
明らかに動揺した京香の声が聞こえてきた。
「はい、そうです。ご無沙汰しております。事情は彼女から少し伺いました。
体調を崩されているとお聞きしました。
私のせいであなたの人生を台無しにしたのなら、申し訳ない事をしたと、深くお詫びします。」
俺は嘘偽り無く誠意を持って謝罪を述べる。
『貴方に…謝って欲しいと…思った事は一度も、ありません…。』
声を震わせながら、京香がそう言ってくる。
「いえ、貴女の心を壊してしまった事は、私の責任でもあります。時間を頂けるならば是非、一度どこかでお会いして、ちゃんと謝罪させて下さい。」
『私は自分が立ち直る為に、貴方を悪者に仕立上げて利用したの。由亜はそんな私の忠実なしもべよ。貴方が由亜を大事に思えば思うほど、私達の復讐は成し遂げられるの。』
ふふふっと不気味に笑い、感情の分からない声で京香はそう言う。
俺は拳を握り締め、どんな形にせよ俺の存在のせいで、醜く曲がってしまった京香の心と、それに従い思い悩む、由亜の純粋な忠誠心を救いたいと強く思う。
とりあえず、後日会う事を約束して電話を切る。
全ては動き出した。
彼女が目を覚ました時、本当の彼女の心を手に入れる為には、誠心誠意京香と向き合う事意外、今の俺に手段は無いと覚悟する。