夜の魔王と呼ばれる男、実は過保護で激甘でした
そのまま駐車場まで連れて行かれ、強引に車に乗せられる。
「あの、オーナー、本当に、私1人で帰れますから…これ以上迷惑かけたくないんです。」
由亜が焦って真壁に訴える。
「オーナーって呼ぶな。今の俺は完全にプライベートだ。名前で呼べ。迷惑だとは1ミリも思って無いし、むしろ1人で帰した方が心配で仕事に支障をきたす。」
分かったか。と念を押されシートベルトをつけられる。
「怠かったら寝とけよ。」
助手席のシートを少し倒して気遣ってくれるから、それだけで泣きそうになってしまう。
「オーナーあの…。」
「違うな…俺の名前知ってるか?」
運転しながら、イジワルな顔で言って来る。
「…真壁さん…。」
「…そっちじゃない。」
名前呼びなんて無理…!
由亜はそう思うのに、こういう時の真壁は容赦無い事を知っている…
「…翔さん…。」
「…さんも要らないが、今日のところは許してやる。」
ポンポンと頭を撫ぜられて、由亜の心は崩壊寸前だ。
「夕飯は、何か食べたか?買って来ようか?」
「いえ…大丈夫です。」
そう言えば…今日は急に来た生理のせいで、バタバタしてお昼も食べ損なってしまった。
身体は正直だ。自分が女である事を忘れさせてはくれない。
「気持ちが悪いのか?」
心配そうに翔が、赤信号で由亜の顔を覗く。
「いえ…心配お掛けして、ごめんなさい。」
お腹が重くて怠いのは生理痛のせいだから、横になって時が過ぎるのを待つしかない。
「由亜、ちょっと待ってろ。」
翔は車をコンビニの駐車場に停めると、1人降り小走りにコンビニへと駆け込んで行く。
どうしたのだろうと見ていると、ビニール袋を片手に戻って来て由亜に渡して来るから、中を覗くと、温かいミルクティーと肉まんに…生理痛の痛み止めが入っていた。
「えっ…!?」
箱を見つめ固まる由亜を尻目に車は走り出す。
「分かるだろ普通…。
由亜は結構顔に出るし、半年見てれば周期ぐらい分かるようになる。」
「はい…⁉︎」
目を丸くして驚く由亜を一瞥して、
「こういう仕事をしてれば、嫌でも身に着くもんだ。悪いな…。」
この人プロだ…本物だ。
今更ながら実感して、きっと私が思ってる事なんて、手に取るように分かるんだと、由亜は身動き出来ないくらい固まる。
「…そんな引くなよ。傷付くだろ。」
そう言って赤信号の間に、ミルクティーのキャップを
わざわざ取って由亜に渡して来る。
「あっ…ありがとう、ございます。」
反射的にお礼を言って、ミルクティーを一口飲む。
美味しい…。
久しぶりに口にした飲み物のように、こくこくと一気に半分くらい飲んでしまった。
「薬も飲んどけ。」
そんな由亜に翔は愛しさが膨らんで、構い倒してしまいたくなる。
「薬で胃を痛めないように、肉まんも温かいうちに食べろ。」
「…い、いただきます。」
今日の由亜はやたらと素直だ。
こういう時は何か言いたい事を隠している時だ。と翔は思うが…。
由亜の顔色の悪さが気になって、聞き出す事を躊躇する。
「あの、オーナー、本当に、私1人で帰れますから…これ以上迷惑かけたくないんです。」
由亜が焦って真壁に訴える。
「オーナーって呼ぶな。今の俺は完全にプライベートだ。名前で呼べ。迷惑だとは1ミリも思って無いし、むしろ1人で帰した方が心配で仕事に支障をきたす。」
分かったか。と念を押されシートベルトをつけられる。
「怠かったら寝とけよ。」
助手席のシートを少し倒して気遣ってくれるから、それだけで泣きそうになってしまう。
「オーナーあの…。」
「違うな…俺の名前知ってるか?」
運転しながら、イジワルな顔で言って来る。
「…真壁さん…。」
「…そっちじゃない。」
名前呼びなんて無理…!
由亜はそう思うのに、こういう時の真壁は容赦無い事を知っている…
「…翔さん…。」
「…さんも要らないが、今日のところは許してやる。」
ポンポンと頭を撫ぜられて、由亜の心は崩壊寸前だ。
「夕飯は、何か食べたか?買って来ようか?」
「いえ…大丈夫です。」
そう言えば…今日は急に来た生理のせいで、バタバタしてお昼も食べ損なってしまった。
身体は正直だ。自分が女である事を忘れさせてはくれない。
「気持ちが悪いのか?」
心配そうに翔が、赤信号で由亜の顔を覗く。
「いえ…心配お掛けして、ごめんなさい。」
お腹が重くて怠いのは生理痛のせいだから、横になって時が過ぎるのを待つしかない。
「由亜、ちょっと待ってろ。」
翔は車をコンビニの駐車場に停めると、1人降り小走りにコンビニへと駆け込んで行く。
どうしたのだろうと見ていると、ビニール袋を片手に戻って来て由亜に渡して来るから、中を覗くと、温かいミルクティーと肉まんに…生理痛の痛み止めが入っていた。
「えっ…!?」
箱を見つめ固まる由亜を尻目に車は走り出す。
「分かるだろ普通…。
由亜は結構顔に出るし、半年見てれば周期ぐらい分かるようになる。」
「はい…⁉︎」
目を丸くして驚く由亜を一瞥して、
「こういう仕事をしてれば、嫌でも身に着くもんだ。悪いな…。」
この人プロだ…本物だ。
今更ながら実感して、きっと私が思ってる事なんて、手に取るように分かるんだと、由亜は身動き出来ないくらい固まる。
「…そんな引くなよ。傷付くだろ。」
そう言って赤信号の間に、ミルクティーのキャップを
わざわざ取って由亜に渡して来る。
「あっ…ありがとう、ございます。」
反射的にお礼を言って、ミルクティーを一口飲む。
美味しい…。
久しぶりに口にした飲み物のように、こくこくと一気に半分くらい飲んでしまった。
「薬も飲んどけ。」
そんな由亜に翔は愛しさが膨らんで、構い倒してしまいたくなる。
「薬で胃を痛めないように、肉まんも温かいうちに食べろ。」
「…い、いただきます。」
今日の由亜はやたらと素直だ。
こういう時は何か言いたい事を隠している時だ。と翔は思うが…。
由亜の顔色の悪さが気になって、聞き出す事を躊躇する。