夜の魔王と呼ばれる男、実は過保護で激甘でした
スマホのマップを頼りになんとか『colors』に辿り着く。
そこは煌めく街のど真ん中。
雑居ビルでひしめく合うビルの中に一軒だけ、黒光りする壁に囲まれた建物の最上階に位置していた。
ラグジュアリーなそのビルは入口から佇まいが違っていた。
まず、入口には黒スーツにサングラスのイカつい男が2人立っている。
否応無く、ドキンドキンと高鳴る胸を止める術も分からぬまま…由亜はcolorsで面接があると男達に告げる。
すると1人のイカつい男が、インカムを使い何やら話しているかと思うと、
「どうぞ、こちらに。」
と、中から物腰の柔らかい子犬系男子が現れて、ニコニコと笑みを浮かべ、由亜を店内へと誘導する。
一面真っ黒に黒光りするエレベーターに乗せられ、階数ボタンを押した男は、由亜を1人残し降りて行く。
「行ってらっしゃいませ。ご健闘をお祈りしています。」
そう言って子犬系男子は頭を下げて送り出してくれた。
その瞬間、由亜はとんでもないところに来てしまったのだと…世間知らずの自分を叱咤する。
足がすくんで身体中が震えてくる。
大丈夫…当たって砕けろ…京ちゃんが報われるために闘うんだ。
今にも泣き出しそうな自分の顔が、エレベーターの黒光する扉に映し出される。
ここまで来たんだから、もう後には引き返せない。
ポーン
とエレベーターが最上階に到着した事を静かに告げる。
それはまるでリングに立つ、ボクサーのゴングのようにも聞こえ、由亜はそのステージに1人降り立つ。
そこは煌めく街のど真ん中。
雑居ビルでひしめく合うビルの中に一軒だけ、黒光りする壁に囲まれた建物の最上階に位置していた。
ラグジュアリーなそのビルは入口から佇まいが違っていた。
まず、入口には黒スーツにサングラスのイカつい男が2人立っている。
否応無く、ドキンドキンと高鳴る胸を止める術も分からぬまま…由亜はcolorsで面接があると男達に告げる。
すると1人のイカつい男が、インカムを使い何やら話しているかと思うと、
「どうぞ、こちらに。」
と、中から物腰の柔らかい子犬系男子が現れて、ニコニコと笑みを浮かべ、由亜を店内へと誘導する。
一面真っ黒に黒光りするエレベーターに乗せられ、階数ボタンを押した男は、由亜を1人残し降りて行く。
「行ってらっしゃいませ。ご健闘をお祈りしています。」
そう言って子犬系男子は頭を下げて送り出してくれた。
その瞬間、由亜はとんでもないところに来てしまったのだと…世間知らずの自分を叱咤する。
足がすくんで身体中が震えてくる。
大丈夫…当たって砕けろ…京ちゃんが報われるために闘うんだ。
今にも泣き出しそうな自分の顔が、エレベーターの黒光する扉に映し出される。
ここまで来たんだから、もう後には引き返せない。
ポーン
とエレベーターが最上階に到着した事を静かに告げる。
それはまるでリングに立つ、ボクサーのゴングのようにも聞こえ、由亜はそのステージに1人降り立つ。