夜の魔王と呼ばれる男、実は過保護で激甘でした
捕まえられていた両腕を京香が力いっぱい突き放す。
私は、目をぎゅっと瞑って、次の衝撃に備えて、反射的に身を固くする。
「由亜!!」
それなのに…どこからか駆け込んできた翔さんに抱き止められて、事なきを得る。
「由亜、大丈夫か⁉︎」
ビルの脇道は薄暗く顔がよく見えない。2人地面に転がったまま、手探り状態で私の両頬に触れてくる。
安堵からか身体小刻みに震えてくる。
そんな私を大事そうにそっと横抱きに抱き上げて、
「2度と由亜に会うなと伝えた筈だ。
破れば法的処置に出ると言わなかったか?」
翔さんはいつもより1オクターブ低い声で、冷酷な目を京ちゃんに向けて容赦無く言い放つ。
「ぐ、偶然会ったのよ。この子が警戒心もなくのこのこ着いて来たの。私のせいじゃないわ。」
「力尽くで連れ出した事はコンビニの店員に聞いた。お前の放つ言葉に信用性は既に無い。」
翔さんから今にも殴りかかりそうな程の怒りを感じ、私は震えながら翔に抱き付き止める。
「翔さん、私なら大丈夫です。…早く帰りましょ。」
1秒でも早くこの場から立ち去りたいと、懇願の眼差しを向ける。
フーッと深いため息を落とした翔さんは、いくらか冷静さを取り戻し『分かった。』と告げる。
「知り合いの弁護士から連絡するように伝える。逃さないからな。」
そう言って翔さんは踵を返し、私を抱き上げたまま、その場を足速に去った。
私は、目をぎゅっと瞑って、次の衝撃に備えて、反射的に身を固くする。
「由亜!!」
それなのに…どこからか駆け込んできた翔さんに抱き止められて、事なきを得る。
「由亜、大丈夫か⁉︎」
ビルの脇道は薄暗く顔がよく見えない。2人地面に転がったまま、手探り状態で私の両頬に触れてくる。
安堵からか身体小刻みに震えてくる。
そんな私を大事そうにそっと横抱きに抱き上げて、
「2度と由亜に会うなと伝えた筈だ。
破れば法的処置に出ると言わなかったか?」
翔さんはいつもより1オクターブ低い声で、冷酷な目を京ちゃんに向けて容赦無く言い放つ。
「ぐ、偶然会ったのよ。この子が警戒心もなくのこのこ着いて来たの。私のせいじゃないわ。」
「力尽くで連れ出した事はコンビニの店員に聞いた。お前の放つ言葉に信用性は既に無い。」
翔さんから今にも殴りかかりそうな程の怒りを感じ、私は震えながら翔に抱き付き止める。
「翔さん、私なら大丈夫です。…早く帰りましょ。」
1秒でも早くこの場から立ち去りたいと、懇願の眼差しを向ける。
フーッと深いため息を落とした翔さんは、いくらか冷静さを取り戻し『分かった。』と告げる。
「知り合いの弁護士から連絡するように伝える。逃さないからな。」
そう言って翔さんは踵を返し、私を抱き上げたまま、その場を足速に去った。