【コミカライズ】愛しのあの方と死に別れて千年 ~今日も私は悪役令嬢を演じます~〈2〉
――あぁ、どうしてこの人は、いつもわたしの欲しい言葉をくれるのだろう。まるで心が読めるみたいに……。
「僕はね、すごく努力したんだよ。君に好かれたくて、好きになってもらいたくて。だから君の考えてることは大抵わかるようになった。――好きだよ、ユリア。僕は君を愛してる。君の笑顔も泣き顔も、僕に後ろめたいと悩むいじらしいところも、本当はちょっとがさつなところも、全部全部ひっくるめて、君の全てを愛しているんだ」
「――っ」
エリオットの熱い眼差しが、甘い声が、わたしの心を包み込む。彼の言葉が嬉しくて、切なくて、愛しくて――言葉が出てこないほどに。
「だからユリア、お願いだ。どうか僕には君の全てを見せてほしい。僕の前ではいつだって、ありのままの君でいてほしい。君が僕のいない場所で涙を流しているなんて、想像するだけで耐えられないほど辛いんだ。だからユリア、僕の願いを聞いてくれ。君が僕のことを愛してくれているのなら――いつも僕の隣で笑って、僕の腕の中で泣いてほしいんだ。どんなときも、僕を君の傍にいさせてほしい」
「――エリオット……」
エリオットの美しい微笑み、熱を帯びた眼差し。――その奥に見え隠れする燃え上がるような彼の強い気持ちに、息をすることさえ忘れてしまいそうになる。
「僕はどんな君だって受け入れるよ。君の全てを愛したいんだ。――ユリア、僕は誓うよ。何があってもこの手を決して離さないと。たとえ世界の全てが君の敵になろうとも、僕だけは君の味方でいると――」
「――っ」
あぁ、あぁ、エリオット。わたしの愛しいエリオット。わたしにはあなただけ――。あなたさえいれば……わたしはここで生きていける……。
――愛している、愛しているわ、エリオット。
そしてわたしたちは、お互いの愛を確かめるように、強く強く抱きしめ合った。