【コミカライズ】愛しのあの方と死に別れて千年 ~今日も私は悪役令嬢を演じます~〈2〉
6.油断と焦燥
――時は少し前に遡る。
「――では、その品はこの住所へ」
ウィリアムは屋敷の住所を書き留めると、商談用のテーブルに並ぶ十点以上の宝飾品を満足げに見下ろした。――なお店主はウィリアム以上に満足そうである。
「かしこまりました、旦那様。本日中にお届けさせていただきます。ぜひ今後とも贔屓にしていただけると幸いでございます」
「ああ、そうだな。機会があれば。――では行こうか、アメリア」
ウィリアムは微笑み、アメリアの手を取る。
こうして二人は、仲睦まじい様子で店を後にした。