【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
お見合いで一目惚れ!? 1話
そして翌日。
私を心配した両親から声をかけられ、朝食を摂ったあとに中庭でティータイム。
お腹いっぱいだけど、せっかく用意してくれたのだから……とお茶を一口飲む。
「……美味しい」
「でしょう? ブレンドしてみたのよぉ」
「お母さまが?」
「ええ。……それで、エリカ。昨日、なにがあったかを教えてくれるかしらぁ?」
きっと知っているとは思うけれど……私の口から直接聞きたいってことだよね。
語尾を伸ばすお母さまの喋り方は少し独特だ。
お母さまはこの国ではなく、国外からお父さまに嫁いできたらしい。ずっとこうして語尾を伸ばす喋り方の国に住んでいたから、この国に嫁いで暮らしていても治らなかったと以前聞いたことがある。
「……そうですね、まず――最初にお伝えしないといけないことがございます」
一度言葉を切って、お母さまとお父さまを交互に見つめる。両親はこてん首を傾げた。
夫婦は似るってよく言うけれど、ふたりとも本当にそっくりな動き!
それを見て、ちょっとだけ口角が上がった。
「――私、ダニエル殿下を愛していたわけではないの。だから、それを踏まえて、聞いてね」
八年前に婚約をしてから、年に一度は浮気をしていたこと、わざわざ私に見せつけて傷つけようとしていたこと。
卒業パーティーでアデーレとの『真実の愛』について語ったこと、婚約破棄を宣言されたことなどを話しているあいだに、ふたりの表情が段々と険しくなっていったに気付いた。
でも、ふたりとも私の言葉を止めようせず、最後まで聞いてくれた。聞き終えたふたりは重々しく息を吐く。
私を心配した両親から声をかけられ、朝食を摂ったあとに中庭でティータイム。
お腹いっぱいだけど、せっかく用意してくれたのだから……とお茶を一口飲む。
「……美味しい」
「でしょう? ブレンドしてみたのよぉ」
「お母さまが?」
「ええ。……それで、エリカ。昨日、なにがあったかを教えてくれるかしらぁ?」
きっと知っているとは思うけれど……私の口から直接聞きたいってことだよね。
語尾を伸ばすお母さまの喋り方は少し独特だ。
お母さまはこの国ではなく、国外からお父さまに嫁いできたらしい。ずっとこうして語尾を伸ばす喋り方の国に住んでいたから、この国に嫁いで暮らしていても治らなかったと以前聞いたことがある。
「……そうですね、まず――最初にお伝えしないといけないことがございます」
一度言葉を切って、お母さまとお父さまを交互に見つめる。両親はこてん首を傾げた。
夫婦は似るってよく言うけれど、ふたりとも本当にそっくりな動き!
それを見て、ちょっとだけ口角が上がった。
「――私、ダニエル殿下を愛していたわけではないの。だから、それを踏まえて、聞いてね」
八年前に婚約をしてから、年に一度は浮気をしていたこと、わざわざ私に見せつけて傷つけようとしていたこと。
卒業パーティーでアデーレとの『真実の愛』について語ったこと、婚約破棄を宣言されたことなどを話しているあいだに、ふたりの表情が段々と険しくなっていったに気付いた。
でも、ふたりとも私の言葉を止めようせず、最後まで聞いてくれた。聞き終えたふたりは重々しく息を吐く。