【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
そして始まる、私たちの物語! 5話
「……あの、エリカ。少し寄りたいところがあるのですか、良いですか?」
「え? ええ、もちろんですわ」
顔を真っ赤にさせたまま尋ねられて、こくりとうなずく。
どこに寄るのかしら? と考えていると、レオンハルトさまは馬車の御者に合図を送る。
窓を数回叩く、という合図なのだけど、よくわかるなぁって感心しちゃう。
「もしかして、御者もフォルクヴァルツの方なのですか?」
「ええ、結構長い付き合いなんですよ」
だいぶ気持ちが落ち着いたのか、真っ赤だった顔が『フォルクヴァルツ辺境伯』というキリッとした表情に変わった。
顔を真っ赤にさせたレオンハルトさまは可愛いし、こういうキリッとした表情は格好良いし、本当にどうしてこの人が結婚していなかったのか……!
そのおかげで私はレオンハルトさまに出逢えたのだけどね!
運命の神さま、ありがとうございます! 感謝しています!
なんて心の中で叫んでいたら、レオンハルトさまが「エリカ?」と不思議そうな顔をした。
おっと心の声が顔に出ていたのかもしれない。
慌てて扇子を広げて口元を隠し、にっこりと微笑んでみせた。
「ところで、どちらに寄るのですか?」
「それはついてからのお楽しみです。まだかかるので、休んでいてください」
レオンハルトさまはごそごそと荷物の中から毛布を取り出し、差し出す。
……毛布の準備もしていたなんて、と驚いたけれど、こういう移動に慣れているのだろうなとも思った。
「……では、お言葉に甘えて」
アデーレのことで張り詰めていた糸がぷつりと切れたからか、一気に安堵感が増したからか、眠くなってきた。きっと、御者の腕も良いのだろう。
目を閉じると、あっという間に眠りに落ちた。
「え? ええ、もちろんですわ」
顔を真っ赤にさせたまま尋ねられて、こくりとうなずく。
どこに寄るのかしら? と考えていると、レオンハルトさまは馬車の御者に合図を送る。
窓を数回叩く、という合図なのだけど、よくわかるなぁって感心しちゃう。
「もしかして、御者もフォルクヴァルツの方なのですか?」
「ええ、結構長い付き合いなんですよ」
だいぶ気持ちが落ち着いたのか、真っ赤だった顔が『フォルクヴァルツ辺境伯』というキリッとした表情に変わった。
顔を真っ赤にさせたレオンハルトさまは可愛いし、こういうキリッとした表情は格好良いし、本当にどうしてこの人が結婚していなかったのか……!
そのおかげで私はレオンハルトさまに出逢えたのだけどね!
運命の神さま、ありがとうございます! 感謝しています!
なんて心の中で叫んでいたら、レオンハルトさまが「エリカ?」と不思議そうな顔をした。
おっと心の声が顔に出ていたのかもしれない。
慌てて扇子を広げて口元を隠し、にっこりと微笑んでみせた。
「ところで、どちらに寄るのですか?」
「それはついてからのお楽しみです。まだかかるので、休んでいてください」
レオンハルトさまはごそごそと荷物の中から毛布を取り出し、差し出す。
……毛布の準備もしていたなんて、と驚いたけれど、こういう移動に慣れているのだろうなとも思った。
「……では、お言葉に甘えて」
アデーレのことで張り詰めていた糸がぷつりと切れたからか、一気に安堵感が増したからか、眠くなってきた。きっと、御者の腕も良いのだろう。
目を閉じると、あっという間に眠りに落ちた。