【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
「夜会なども誘われたのですが、仕事に追われて参加できず……」
「お仕事には、慣れましたか?」
「うーん、どうなんでしょうね。騎士として魔物と戦っていたほうが楽だったかもしれません」
肩を落とすレオンハルトさまを見て、思わずクスクスと笑ってしまった。
「エリカ嬢こそ、どうしてこのお見合いを受けようと思ったのですか?」
「父から頼まれて、というのもありますが……私、できればこの王都から出ていきたいのです」
「それは、一時的な避難先……ということでしょうか?」
ふるふると首を横に振る。
扇子を閉じて、トン、自分の胸元に手を置いて、自信満々の笑みを浮かべた。
「私にも伯爵家令嬢としての役割がございます。ダニエル殿下の婚約者として、いろいろなことを学びました……が、婚約は破棄されましたので、思う存分力を揮えないのです」
私がダニエル殿下の婚約者として過ごした八年間。
いろいろなことを、家庭教師たちから教えてもらった。
まぁ、必死に勉強しているときに、ダニエル殿下は他の令嬢と逢瀬を重ねていたのだから悲しくなってしまう……なんて、嘘よ。
卒業パーティーで婚約破棄を宣言されるかは、半信半疑だったけれど、いつか婚約は破棄されるだろうと思っていた。
だから、そんなにダメージは負っていない。……そう思い込んでいるだけかもしれないけど、ね。
「お仕事には、慣れましたか?」
「うーん、どうなんでしょうね。騎士として魔物と戦っていたほうが楽だったかもしれません」
肩を落とすレオンハルトさまを見て、思わずクスクスと笑ってしまった。
「エリカ嬢こそ、どうしてこのお見合いを受けようと思ったのですか?」
「父から頼まれて、というのもありますが……私、できればこの王都から出ていきたいのです」
「それは、一時的な避難先……ということでしょうか?」
ふるふると首を横に振る。
扇子を閉じて、トン、自分の胸元に手を置いて、自信満々の笑みを浮かべた。
「私にも伯爵家令嬢としての役割がございます。ダニエル殿下の婚約者として、いろいろなことを学びました……が、婚約は破棄されましたので、思う存分力を揮えないのです」
私がダニエル殿下の婚約者として過ごした八年間。
いろいろなことを、家庭教師たちから教えてもらった。
まぁ、必死に勉強しているときに、ダニエル殿下は他の令嬢と逢瀬を重ねていたのだから悲しくなってしまう……なんて、嘘よ。
卒業パーティーで婚約破棄を宣言されるかは、半信半疑だったけれど、いつか婚約は破棄されるだろうと思っていた。
だから、そんなにダメージは負っていない。……そう思い込んでいるだけかもしれないけど、ね。