【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
「……ずっと、この国を守ってくださって、ありがとうございます」

 心から、その言葉が出た。

 彼らの国に対する忠誠心がなければ、この国はいつ他国に攻め入られていたかわからない。

「――それがフォルクヴァルツの仕事ですから」

 凛とした、声だった。

 国を守れることを、誇りに思っているのがわかる。

 ――どんなにつらいことがあっても、きっと乗り越えていくんだろう。

「あなたはとても……まぶしい方ですね」
「オレがまぶしい、ですか?」

 目を丸くするレオンハルトさまに、小さくうなずく。

「ええ、とても。そして、とても素晴らしい方だと、思います」
「あ、あの、今日はこの辺で失礼しますね。お茶とお茶菓子、ありがとうございました」

 顔をますます赤らめたレオンハルトさまは、一気にお茶を飲み干して去っていってしまった。

 ……照れさせすぎちゃったのかしら?

 でも、きっとまたすぐに会える……そんな予感がするの。

 うん、やっぱりダニエル殿下よりも、レオンハルトさまのほうに心が傾いているのがわかる。

 ――やっぱり、これが一目惚れってやつなのかしらね?
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