【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?

初デート! 1話

 そして翌日。

 レオンハルトさまは午前中にレームクール邸を訪れた。

 うーん、やっぱり格好いいわね。彼は軽く頭を下げる。

「昨日はすみませんでした。慌ただしくお(いとま)してしまい……」

 申し訳なさそうに謝る姿を見て、私は目を丸くして緩やかに首を振る。

「いいえ、大丈夫ですわ」

 にこりと微笑み彼を見つめる。ちらりとこちらに視線を向けたあと、ホッとしたように表情を緩めた。

 あー! もうー! かわいいー!

 心の中できゃあきゃあとはしゃいでしまっている。だって、しゅんと悲しそうな顔からぱっと表情が明るくなったんだもの。

 昨日、お見合いしたときから感じていたけれど……彼の表情はころころ変わる。そこが可愛いと思ってしまう。

 下げていた頭を上げて、キリッとした表情を浮かべると、胸元に手を当てる。

「本日、エリカ嬢のお時間をいただけないでしょうか?」

 学園は卒業したし、婚約も白紙になったし、時間ならたくさんあるわ。

 レオンハルトさまからの提案を断るなんて、私の選択肢にないわね。

「構いませんわ」
「では、出掛ける準備をお願いします」
「あら、どこへ連れていってくださるのでしょうか?」
「それはついてからのお楽しみです」

 パチン、とウインクを一つ。

 ……ああ、イケメンのウインクって、殺傷力たかぁい……

 鼓動がドクンと高鳴ったのがわかる。

「では、準備をしますので、少々お待ちください」

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