【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?

両親に報告

 来たときと同じように、馬車に乗って屋敷まで送ってもらう。

 レームクール邸につくと、レオンハルトさまはやっぱり先に馬車を降り、私に手を差し伸べた。

 その手を取って馬車から降り、家の中に入る。

 執事にお父さまとお母さまがどこにいるかのを尋ねると、「執務室でおふたりをお待ちです」と教えてくれた。

 私はレオンハルトさまを見上げ、彼も私に視線を向けていたので、ぱちっと視線が交わる。

「ありがとう、執務室に行くわ。お茶の用意をお願いできるかしら?」
「かしこまりました、すぐにご用意します」

 執事にお茶を頼み、私たちは執務室までゆっくりと歩く。

 執務室の扉の前で一度立ち止まり、深呼吸。

 扉をノックすると、すぐにガチャリと扉が開く。

「お帰りなさい。楽しい時間を過ごせたようねぇ?」

 にこにこと微笑むお母さまが、私たちを出迎えた。

 ちらりと中を確認するように視線を向けると、お父さまは書類を手にしたまま動かない。

 こほん、と一度咳払いをしてから、「入りなさい」と少し緊張しているような声でうながす。

 私とレオンハルトさまは、執務室へ足を踏み入れた。

 常設されているソファに座り、お父さまに視線を移す。

 レオンハルトさまは、私の隣に座った。

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