【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
「――裏切りません。絶対に。レームクール伯爵令嬢を守ります。この命に代えても」
「――こらこら、それはダメだ。夫婦はともにいなくては。きみはあいつに似ずに、真面目な子に育ったんだねぇ……」
どこか呆れたような、感心したような、それでいて嬉しそうな声でお父さまが笑う。
「お父さま、この方なら……フォルクヴァルツ辺境伯となら、私は大丈夫だと思います」
「そうねぇ、エリカがそう言えるくらいだもの。反対なんてしないでしょう?」
お母さまが扇子で口元を隠して、目元を細める。
お父さまは私たちの顔をじっくりと眺めて、それから小さく息を吐いた。
「――娘をよろしく頼む」
「はい、ありがとうございます。必ず、幸せにします」
私はレオンハルトさまに駆け寄って、その手を取った。驚いたようにこちらを見る彼に、真剣な表情を浮かべる。
「違いますわ、レオンハルトさま。私がレオンハルトさまに幸せにしてもらうのではなく、私たちが幸せになるのです」
レオンハルトさまは目を大きく見開いて私を見つめる。にこりと微笑んでみせると、彼は「……そうですね」と頬を染めてうなずいた。
「ところでぇ、もう婚約決定ということでいいのかしらぁ? それとも、お付き合い期間なのかしらぁ?」
お母さまの問いに、レオンハルトさまが少し悩んだように口を閉ざす。
それからすぐにお母さまに顔を向けて、「婚約は、保留で」と答えた。
「――こらこら、それはダメだ。夫婦はともにいなくては。きみはあいつに似ずに、真面目な子に育ったんだねぇ……」
どこか呆れたような、感心したような、それでいて嬉しそうな声でお父さまが笑う。
「お父さま、この方なら……フォルクヴァルツ辺境伯となら、私は大丈夫だと思います」
「そうねぇ、エリカがそう言えるくらいだもの。反対なんてしないでしょう?」
お母さまが扇子で口元を隠して、目元を細める。
お父さまは私たちの顔をじっくりと眺めて、それから小さく息を吐いた。
「――娘をよろしく頼む」
「はい、ありがとうございます。必ず、幸せにします」
私はレオンハルトさまに駆け寄って、その手を取った。驚いたようにこちらを見る彼に、真剣な表情を浮かべる。
「違いますわ、レオンハルトさま。私がレオンハルトさまに幸せにしてもらうのではなく、私たちが幸せになるのです」
レオンハルトさまは目を大きく見開いて私を見つめる。にこりと微笑んでみせると、彼は「……そうですね」と頬を染めてうなずいた。
「ところでぇ、もう婚約決定ということでいいのかしらぁ? それとも、お付き合い期間なのかしらぁ?」
お母さまの問いに、レオンハルトさまが少し悩んだように口を閉ざす。
それからすぐにお母さまに顔を向けて、「婚約は、保留で」と答えた。