【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
両親の馴れ初め
「それじゃあ、エリカはお母さまと散歩でもしましょうねぇ」
「え? あ、はい……」
レオンハルトさまの手を離すのは、なんだか名残惜しい気がする。
でも、こうしてお母さまと一緒に散歩ができるのも、もう残り少なくなるだろう。
そう考えると、家族の時間も大切にしたかった。
ちらりとレオンハルトさまを見ると、彼は優しく微笑んで小さく首を縦に振る。
お父さまは椅子から立ち上がり、レオンハルトさまに近付くと、ガシッと肩を掴んでバンバンと叩き、彼を連れて歩き出す。
その姿を見送り、くすくすと笑うお母さまに視線を向けると、「その前にお茶を飲みましょうねぇ。せっかく淹れてもらったしねぇ」と、すっかりぬるくなったお茶を一気に飲み干した。
私もカップも持ち、ごくごくと飲み干す。一気飲みは貴族としてはダメかもしれないけれど、ここには私とお母さましかいないから、許してほしい。
そして、お茶はぬるくなってもおいしかった。
「エリカ、行きましょう?」
「はい、お母さま」
執務室を出て、お母さまについていく。
お母さまは中庭までの道を歩きながら、ちらりと私を見て「それで、彼のこと、好きになったのぉ?」と目を弓型に細めて尋ねてきた。
「お、お母さま……!?」
「あら、お顔が真っ赤よぉ。うふふ、エリカも恋をしたのねぇ」
中庭につき、咲いている花々を眺めながら……ワクワクとした声色を隠さないお母さまに、私は自分の頬に手を添える。
「……確かに、レオンハルトさまを想うと……鼓動が早鐘を打つようです。……でも、これは恋なのでしょうか……?」
昨日と今日、会話をしてとても良い人だと感じている。格好いいし、私のことを考えてくれていることがわかるもの。
「え? あ、はい……」
レオンハルトさまの手を離すのは、なんだか名残惜しい気がする。
でも、こうしてお母さまと一緒に散歩ができるのも、もう残り少なくなるだろう。
そう考えると、家族の時間も大切にしたかった。
ちらりとレオンハルトさまを見ると、彼は優しく微笑んで小さく首を縦に振る。
お父さまは椅子から立ち上がり、レオンハルトさまに近付くと、ガシッと肩を掴んでバンバンと叩き、彼を連れて歩き出す。
その姿を見送り、くすくすと笑うお母さまに視線を向けると、「その前にお茶を飲みましょうねぇ。せっかく淹れてもらったしねぇ」と、すっかりぬるくなったお茶を一気に飲み干した。
私もカップも持ち、ごくごくと飲み干す。一気飲みは貴族としてはダメかもしれないけれど、ここには私とお母さましかいないから、許してほしい。
そして、お茶はぬるくなってもおいしかった。
「エリカ、行きましょう?」
「はい、お母さま」
執務室を出て、お母さまについていく。
お母さまは中庭までの道を歩きながら、ちらりと私を見て「それで、彼のこと、好きになったのぉ?」と目を弓型に細めて尋ねてきた。
「お、お母さま……!?」
「あら、お顔が真っ赤よぉ。うふふ、エリカも恋をしたのねぇ」
中庭につき、咲いている花々を眺めながら……ワクワクとした声色を隠さないお母さまに、私は自分の頬に手を添える。
「……確かに、レオンハルトさまを想うと……鼓動が早鐘を打つようです。……でも、これは恋なのでしょうか……?」
昨日と今日、会話をしてとても良い人だと感じている。格好いいし、私のことを考えてくれていることがわかるもの。