【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
「あとで、陛下にも報告しないといけないね。エリカには良い人ができそうだから、釣書はもういりませんって」
「そのときにはお母さまたちも一緒に行くからねぇ」
「……釣書って陛下からもあったのですか……?」

 あの山のような釣書を思い出し、ぽかんと口を開けてしまった。

 ハッとして、口を閉じる。レオンハルトさまに変な顔を見せてしまったわね……

「一緒に……?」

 レオンハルトさまが困惑したようにお父さまとお母さまを見ると、お父さまがすっとなにかを取り出す。

「婚約の有無に関係なく、王室からは招かれているからね」

 ぴらりと王城への招待状を見せるお父さま。

 ……その招待状、いつ届いたの……?

 そして、どうして招かれているのかしら……?

「うふふ。ちなみにダニエル殿下とアデーレ? でしたっけ? その子もいるみたいよぉ」
「……え」

 思わず小さな声が出た。

 会いたくない人たちなんだけど……

 それでも、たぶん……向き合わなきゃいけないことなんだろうなぁ。

 レオンハルトさまが心配そうに私を見ていたから、平気ですよ、と微笑んでみせた。

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