【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
馬車が走り出し、窓から流れる風景を眺めていると、ぽつりとレオンハルトさまが言葉をこぼす。
「不思議な感じがしますね」
「不思議、ですか?」
「はい。陛下に謁見するのに、なぜダニエル殿下とアデーレ嬢も一緒なのか、わからなくて……」
「そうですね。ダニエル殿下とアデーレさまはまだ正式に婚約者というわけではないはずなので、もしかしたら、その報告もあるのかもしれませんね」
婚約破棄を宣言されてから二週間と少し。
一度もダニエル殿下とアデーレが婚約したという話は、耳に届かなかった。
……レームクール邸のみんなが私の耳に届かないようにしてくれたのかもしれないけれど、婚約したのなら教えてくれるとも思うのよ。
いったい彼らはどんなことになっているのかしら……?
そもそも、オイゲン陛下がどうして招待状なんて渡したのかもわからないのよね。
お父さまが持っていた招待状、本当にいつ届いたのかしら……?
「緊張していますか?」
レオンハルトさまの問いに、思わず彼を見つめる。
そして、自分の胸元に手を当てて、眉を下げて微笑んだ。
「……よくわかりましたね。ですが、もうダニエル殿下とは婚約を白紙にした身ですもの。堂々とした態度を取りますわ!」
ぐっと拳を握って意気込むと、彼はきょとんとした表情を浮かべた。私の言葉が面白かったのか、くすりとはにかむ。
その表情もドストライクです!
……とは、面と向かって言えないけれど、本心だ。
「……ただ、レオンハルトさまがどんなふうに見られるのか、それだけが心配で……」
私はきっと晒しものになるだろう。一緒にいるレオンハルトさまもそう思われたらどうしよう?
ダニエル殿下と婚約してからずーっとそんな感じで見られていたから、私は平気なんだけど、レオンハルトさまは……
伯爵家って、中間で便利といえば便利な位置にいるんだけど……王族の地位と比べるとさすがにねぇ。
「不思議な感じがしますね」
「不思議、ですか?」
「はい。陛下に謁見するのに、なぜダニエル殿下とアデーレ嬢も一緒なのか、わからなくて……」
「そうですね。ダニエル殿下とアデーレさまはまだ正式に婚約者というわけではないはずなので、もしかしたら、その報告もあるのかもしれませんね」
婚約破棄を宣言されてから二週間と少し。
一度もダニエル殿下とアデーレが婚約したという話は、耳に届かなかった。
……レームクール邸のみんなが私の耳に届かないようにしてくれたのかもしれないけれど、婚約したのなら教えてくれるとも思うのよ。
いったい彼らはどんなことになっているのかしら……?
そもそも、オイゲン陛下がどうして招待状なんて渡したのかもわからないのよね。
お父さまが持っていた招待状、本当にいつ届いたのかしら……?
「緊張していますか?」
レオンハルトさまの問いに、思わず彼を見つめる。
そして、自分の胸元に手を当てて、眉を下げて微笑んだ。
「……よくわかりましたね。ですが、もうダニエル殿下とは婚約を白紙にした身ですもの。堂々とした態度を取りますわ!」
ぐっと拳を握って意気込むと、彼はきょとんとした表情を浮かべた。私の言葉が面白かったのか、くすりとはにかむ。
その表情もドストライクです!
……とは、面と向かって言えないけれど、本心だ。
「……ただ、レオンハルトさまがどんなふうに見られるのか、それだけが心配で……」
私はきっと晒しものになるだろう。一緒にいるレオンハルトさまもそう思われたらどうしよう?
ダニエル殿下と婚約してからずーっとそんな感じで見られていたから、私は平気なんだけど、レオンハルトさまは……
伯爵家って、中間で便利といえば便利な位置にいるんだけど……王族の地位と比べるとさすがにねぇ。