【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
アデーレはそれが図星だったのか、一瞬眉を跳ねさせた。
口元を隠していても、彼女の表情が歪んでいるのがわかる。
私が原作の流れを無視していたから、アデーレとダニエル殿下はまだ婚約者ではないのよね。
原作なら、卒業パーティーで婚約破棄を宣言後、すぐに結ばれるはずだ。
八年前に婚約してから、年に一回のダニエル殿下の浮気癖に気付いた。そのおかげで彼に本気で惚れることはないな、と感じたのも事実。
私は、私を大切にしてくれる人が良い。
婚約者になって、最初の浮気に気付くまでは、彼に見合う女性になろうとした。
浮気に気付いてからは、『ダニエル殿下』という個人ではなく、『王族』の婚約者として胸を張れるようにがんばったのよ。
彼に見合う私になるという、その決意を……ことごとく台無しにしたのは目の前にいるダニエル殿下だ。
学園に入学してからも、彼は私よりも他の女性を選んだ。その筆頭がアデーレなのよね。
ダニエル殿下はアデーレを選んだ。それだけの話。
「そ、そんなことはありませんわ。ただ、わたくしは……エリカさまとお話をしたくて」
「なぜ?」
「えっ?」
私が問いかけると、アデーレは目に見えてうろたえた。
なにをそんなに、うろたえることがあるのか。
そもそも、婚約者を奪ったアデーレと奪われた私で、なにを話すことがあるというのか、聞かせてもらいたいわねぇ。
「だ、だって……婚約破棄したばかりなのに、すぐにお見合いなんて、どういうお気持ちだったのかしらって……」
だって、に繋がる言葉ではないわよね?
口元を隠していても、彼女の表情が歪んでいるのがわかる。
私が原作の流れを無視していたから、アデーレとダニエル殿下はまだ婚約者ではないのよね。
原作なら、卒業パーティーで婚約破棄を宣言後、すぐに結ばれるはずだ。
八年前に婚約してから、年に一回のダニエル殿下の浮気癖に気付いた。そのおかげで彼に本気で惚れることはないな、と感じたのも事実。
私は、私を大切にしてくれる人が良い。
婚約者になって、最初の浮気に気付くまでは、彼に見合う女性になろうとした。
浮気に気付いてからは、『ダニエル殿下』という個人ではなく、『王族』の婚約者として胸を張れるようにがんばったのよ。
彼に見合う私になるという、その決意を……ことごとく台無しにしたのは目の前にいるダニエル殿下だ。
学園に入学してからも、彼は私よりも他の女性を選んだ。その筆頭がアデーレなのよね。
ダニエル殿下はアデーレを選んだ。それだけの話。
「そ、そんなことはありませんわ。ただ、わたくしは……エリカさまとお話をしたくて」
「なぜ?」
「えっ?」
私が問いかけると、アデーレは目に見えてうろたえた。
なにをそんなに、うろたえることがあるのか。
そもそも、婚約者を奪ったアデーレと奪われた私で、なにを話すことがあるというのか、聞かせてもらいたいわねぇ。
「だ、だって……婚約破棄したばかりなのに、すぐにお見合いなんて、どういうお気持ちだったのかしらって……」
だって、に繋がる言葉ではないわよね?