【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
それに……アデーレの言葉は、私からの敗北宣言を望んでいるようにも聞こえたから。
私が至らなかったから、ダニエル殿下のもとを去ります……という言葉を聞きたいんじゃないかしら? そんなこと、絶対に口にしない。
敗北宣言なんて、誰がするものですか!
「フォルクヴァルツ辺境伯との縁談は、彼の父君から望まれたことだ。きみが口出す資格はない」
「――縁談がきたからって! そんなにすぐまとまるわけがないじゃないですか!」
いきなり声を荒げるアデーレに、皆一様に彼女を見つめる。
……どうしてそんなに気持ちが荒れているのかしら?
悔しそうに表情を歪めているのを見て、デイジーさまが冷たい視線をアデーレに向けた。
それにしても、なんだか立場が逆転している気がするわね。
こんなに悔しがるアデーレを見ていると。
「……アデーレ……?」
ダニエル殿下が、そんな彼女を心配そうに見ている。
……殿下は、ちゃんとアデーレのことが好きなのかなぁ。
その気持ちが本物なら、浮気はやめて彼女一筋になってほしいわ。
心から、そう思う。
「――私は、フォルクヴァルツ辺境伯のことをもっと知っていきたいと思っています。彼に惹かれ始めていますから。これは、私の意志ですわ。――ありがとうございます、ダニエル殿下、アデーレ嬢」
凛とした声を出す。
すると、この場にいる全員の注目を集めた。
「あなた方のおかげで、レオンハルトさまに出逢えました。彼と出逢う機会を与えていただき、本当に感謝しておりますわ」
私が至らなかったから、ダニエル殿下のもとを去ります……という言葉を聞きたいんじゃないかしら? そんなこと、絶対に口にしない。
敗北宣言なんて、誰がするものですか!
「フォルクヴァルツ辺境伯との縁談は、彼の父君から望まれたことだ。きみが口出す資格はない」
「――縁談がきたからって! そんなにすぐまとまるわけがないじゃないですか!」
いきなり声を荒げるアデーレに、皆一様に彼女を見つめる。
……どうしてそんなに気持ちが荒れているのかしら?
悔しそうに表情を歪めているのを見て、デイジーさまが冷たい視線をアデーレに向けた。
それにしても、なんだか立場が逆転している気がするわね。
こんなに悔しがるアデーレを見ていると。
「……アデーレ……?」
ダニエル殿下が、そんな彼女を心配そうに見ている。
……殿下は、ちゃんとアデーレのことが好きなのかなぁ。
その気持ちが本物なら、浮気はやめて彼女一筋になってほしいわ。
心から、そう思う。
「――私は、フォルクヴァルツ辺境伯のことをもっと知っていきたいと思っています。彼に惹かれ始めていますから。これは、私の意志ですわ。――ありがとうございます、ダニエル殿下、アデーレ嬢」
凛とした声を出す。
すると、この場にいる全員の注目を集めた。
「あなた方のおかげで、レオンハルトさまに出逢えました。彼と出逢う機会を与えていただき、本当に感謝しておりますわ」