【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
ぽつりとオイゲン陛下がつぶやき、それを聞いたレオンハルトさまが顔を上げる。
「そのおかげで、わたしは幸せになれますね」
にこにこ、と爽やかな笑顔を浮かべるレオンハルトさまに、オイゲン陛下とデイジーさまが破顔した。
なぜか呆然としているダニエル殿下を一瞥し、レオンハルトさまは私に視線を送る。
その表情の晴れ晴れとしたこと!
「――陛下、我々の報告は終わりましたので、そろそろ失礼いたします」
「ああ、わざわざ足を運んでもらってすまないな」
「いいえ。……二人のことを、応援していただけますか?」
「ああ、もちろんだ」
お父さまが胸元に手を当てて、一礼した。
オイゲン陛下の言葉はとても柔らかく、祝福してくれるようで……ホッとしたわ。
私たちもそれぞれ陛下たちに頭を下げて、謁見の間から出ていく。
――レオンハルトさまとお見合いして、正式に恋人同士になったことを宣言した。
アデーレのことでちょっと……いや、かなり心がざわめいたけれど、これで少しは安心かしら?
……あら? お母さまがぴたりと足を止めたわ。
「お母さま?」
「……先に行ってちょうだいな。お母さまは、ちょーっと忘れ物をしちゃったからぁ」
にこりと微笑むお母さま。
その瞳は鋭利な刃物のように鋭かった。
謁見の間に戻るお母さまを、お父さまは引き止めなかった。
「……よろしいのですか?」
お母さまの後ろ姿をじっと見つめていたお父さまに尋ねると、肩をすくめて私の背中をぽんと優しく叩く。
「娘を思う母の気持ちを、止められる術は持っていないなぁ」
なんて明るく言うものだから、目をぱちぱちと瞬かせてしまった。
「それに、うちの可愛いエリカの努力も知らずに、他の女性に現を抜かすような男、お母さまが許すと思うかい?」
「そのおかげで、わたしは幸せになれますね」
にこにこ、と爽やかな笑顔を浮かべるレオンハルトさまに、オイゲン陛下とデイジーさまが破顔した。
なぜか呆然としているダニエル殿下を一瞥し、レオンハルトさまは私に視線を送る。
その表情の晴れ晴れとしたこと!
「――陛下、我々の報告は終わりましたので、そろそろ失礼いたします」
「ああ、わざわざ足を運んでもらってすまないな」
「いいえ。……二人のことを、応援していただけますか?」
「ああ、もちろんだ」
お父さまが胸元に手を当てて、一礼した。
オイゲン陛下の言葉はとても柔らかく、祝福してくれるようで……ホッとしたわ。
私たちもそれぞれ陛下たちに頭を下げて、謁見の間から出ていく。
――レオンハルトさまとお見合いして、正式に恋人同士になったことを宣言した。
アデーレのことでちょっと……いや、かなり心がざわめいたけれど、これで少しは安心かしら?
……あら? お母さまがぴたりと足を止めたわ。
「お母さま?」
「……先に行ってちょうだいな。お母さまは、ちょーっと忘れ物をしちゃったからぁ」
にこりと微笑むお母さま。
その瞳は鋭利な刃物のように鋭かった。
謁見の間に戻るお母さまを、お父さまは引き止めなかった。
「……よろしいのですか?」
お母さまの後ろ姿をじっと見つめていたお父さまに尋ねると、肩をすくめて私の背中をぽんと優しく叩く。
「娘を思う母の気持ちを、止められる術は持っていないなぁ」
なんて明るく言うものだから、目をぱちぱちと瞬かせてしまった。
「それに、うちの可愛いエリカの努力も知らずに、他の女性に現を抜かすような男、お母さまが許すと思うかい?」