【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
――お父さま、そんな爽やかな笑顔で口にするセリフではないと思います!
そう考えていると、謁見の間から恐怖一色の悲鳴が聞こえてきた。
レオンハルトさまが「!?」と目を見開いて声がしたほうに振り返る。
お父さまはくすりと笑い声を上げて、ひらひらと片手を振った。
「ああ、気にしないでくれ。悪い子にはお仕置きが必要だろう? それがたとえ王子であったとしても」
「……なるほど……?」
「まぁ、今回の件で王子としての立場も、危ういだろうけどね」
……確かに、婚約者がいながら浮気を繰り返して、卒業パーティーで堂々と婚約破棄を宣言して、元婚約者の顔に泥を塗るような王子を、誰が支持するのか……
謝罪も受けていないしね。
ああ、そうか。
謝罪がないのが問題でもあったのね。
お母さまの怒りポイント。
悪いことをしたなら謝る、のは人として当然のことだけど、ダニエル殿下は王族だからか、自分に非があっても謝ることはしない人だった。
これは王族の教育方針も、考えさせられるわよね。
王族には威厳が必要だから、着飾り、堂々とした態度を取る。
もしも王族が貧しそうな格好をしていたら、他国から笑われるか国を奪おうとされるかだ。
そのうちに、謁見の間から悲鳴が途切れた。おそらく、ダニエル殿下が気絶したのだろう。
……おかあさま、いったいなにをしたのかしら……
知りたいような知りたくないような、複雑な心境を持て余しつつ、お父さまの袖をくいっと引っ張る。
私がなにを心配しているのか理解したのだろう。
お父さまは目尻を下げて微笑んだ。
そう考えていると、謁見の間から恐怖一色の悲鳴が聞こえてきた。
レオンハルトさまが「!?」と目を見開いて声がしたほうに振り返る。
お父さまはくすりと笑い声を上げて、ひらひらと片手を振った。
「ああ、気にしないでくれ。悪い子にはお仕置きが必要だろう? それがたとえ王子であったとしても」
「……なるほど……?」
「まぁ、今回の件で王子としての立場も、危ういだろうけどね」
……確かに、婚約者がいながら浮気を繰り返して、卒業パーティーで堂々と婚約破棄を宣言して、元婚約者の顔に泥を塗るような王子を、誰が支持するのか……
謝罪も受けていないしね。
ああ、そうか。
謝罪がないのが問題でもあったのね。
お母さまの怒りポイント。
悪いことをしたなら謝る、のは人として当然のことだけど、ダニエル殿下は王族だからか、自分に非があっても謝ることはしない人だった。
これは王族の教育方針も、考えさせられるわよね。
王族には威厳が必要だから、着飾り、堂々とした態度を取る。
もしも王族が貧しそうな格好をしていたら、他国から笑われるか国を奪おうとされるかだ。
そのうちに、謁見の間から悲鳴が途切れた。おそらく、ダニエル殿下が気絶したのだろう。
……おかあさま、いったいなにをしたのかしら……
知りたいような知りたくないような、複雑な心境を持て余しつつ、お父さまの袖をくいっと引っ張る。
私がなにを心配しているのか理解したのだろう。
お父さまは目尻を下げて微笑んだ。