【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?
あの乙女ゲームでアデーレがヒロインだった理由は、不思議な力が使えたからだった。――でも、その不思議な力の欠片も、彼女は見せていない気がする。
どういうことなのかしら……?
「難しい顔をしていますが、どうかしましたか?」
「いえ。本当に……早くフォルクヴァルツ領を見てみたいですわ」
緩やかに首を左右に振って、にこりと微笑んでみせると、レオンハルトさまは小さくうなずいた。
そのあとすぐに、食事の準備が整ったとメイドが知らせてくれたので、彼と一緒に食堂に足を進める。
手を繋いで歩くだけでも、こんなにドキドキするんだ、と甘い恋の蜜に心が浸かったように感じた。
食堂にはすでにお父さまとお母さまがすでに座っていて、私たちが手を繋いでいるのを見て、微笑ましそうに目元を細める。
「うふふ、すっかり恋する乙女の顔ね」
「えっ」
思わず頬に手を添えてしまう。
お父さまが「良かったなぁ」と穏やかに言ったけれど、私の顔はそんなに恋をしているように見えるのかしら、とちらりと彼を見上げる。
じぃっと見つめられていることに気付いて、鼓動が跳ねた。
「わたしの顔はどうでしょう?」
お母さまに顔を見せるレオンハルトさま。お母さまはキョトンとした表情を浮かべてから、くすくすと笑う。
花が綻ぶようなその笑い方は、誰をも魅了するように思えた。さすが、お母さま。
どういうことなのかしら……?
「難しい顔をしていますが、どうかしましたか?」
「いえ。本当に……早くフォルクヴァルツ領を見てみたいですわ」
緩やかに首を左右に振って、にこりと微笑んでみせると、レオンハルトさまは小さくうなずいた。
そのあとすぐに、食事の準備が整ったとメイドが知らせてくれたので、彼と一緒に食堂に足を進める。
手を繋いで歩くだけでも、こんなにドキドキするんだ、と甘い恋の蜜に心が浸かったように感じた。
食堂にはすでにお父さまとお母さまがすでに座っていて、私たちが手を繋いでいるのを見て、微笑ましそうに目元を細める。
「うふふ、すっかり恋する乙女の顔ね」
「えっ」
思わず頬に手を添えてしまう。
お父さまが「良かったなぁ」と穏やかに言ったけれど、私の顔はそんなに恋をしているように見えるのかしら、とちらりと彼を見上げる。
じぃっと見つめられていることに気付いて、鼓動が跳ねた。
「わたしの顔はどうでしょう?」
お母さまに顔を見せるレオンハルトさま。お母さまはキョトンとした表情を浮かべてから、くすくすと笑う。
花が綻ぶようなその笑い方は、誰をも魅了するように思えた。さすが、お母さま。