小羽根と自由な仲間達
こうして僕は、全国模試当日まで、毎日欠かさず勉強することにした。

勿論授業は毎日ちゃんと受けて、放課後になったら部室で勉強して。

家に帰ったら、夕食の時間まで勉強して、食事が終わったらまた勉強。

日付が変わるまで勉強して、日付が変わってもまだ勉強。

さすがにそこまでやってると眠くなるので、ベッドに入るけど。

翌朝は早起きして、更に勉強した。

勉強漬けの毎日である。

我ながらかなりのハードスケジュールだが、このくらいやらなければ、これまでの怠惰のツケは払えない。

それに、大変だけど、それは今だけの辛抱。

そう思えば、大して辛くはない…。




…はずだった。




「…うーん…」

部活を終えて帰宅後、僕は相変わらず自室のデスクに座って、自主勉強を続けていた。

…遅々として進まない。

自主勉強の為に、僕は書店で選んできた問題集を数冊、取り組むことにしたのだが。

色々な問題集が売ってて、どれにしようかと考え、やはり難しい問題を解かねば力はつかぬだろうと。

敢えて、一番難しい問題集を買ってきた。

そのせいだろうか。全然進まない。

一日何ページ、というノルマを決めているのだけれど、問題が難しくてなかなか進まない。

一問を解くのに時間がかかる為、僕の勉強計画は、早くも遅れ気味だった。

段々と集中力も途切れてきて、余計に問題を解くのが遅くなっていく。

歴史とか、現代文とか外国語とか…文系の科目は比較的得意なんだけど。

数学や理科などの理系科目は、どうにも苦手だった。

特に数学…。まだ学校で習ってない範囲も出題されてて、自分一人で問題を解くのは辛い…。

…でも、苦手科目こそ力を入れて勉強しないといけませんよね。

そう思って、気を引き締めて勉強…していたところに。

「やぁ、小羽根。いるかい?」

「…あ…加那芽兄様…」

僕のもとに、加那芽兄様が訪ねてきた。
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