小羽根と自由な仲間達
確かに僕は、幽霊に対しては多少の免疫を得ました。

しかし。

ノートパソコンの画面いっぱいに現れたのは、幽霊ではなく。

生々しく、グロテスクなゾンビだった。

ゾンビが出てくるなんて聞いてません。

心霊研究部の部室の中は、阿鼻叫喚。

「ぎゃぁぁぁ!ゾンビ来たぁぁぁ!」

「凄い数ですね、これ。300体くらいいるんじゃないですか?」

「気持ち悪っ…。萌音、やれ」

「ゾンビ退治なら得意だよ。ずどどどど〜」

「…」

歓喜の悲鳴をあげる天方部長と、ドン引きしている弦木先輩。

そして、あまりの恐怖に声も言葉も出ない僕の代わりに。
 
久留衣先輩が、パソコンのキーボードを凄まじい勢いで連射。

マシンガンを発射して、迫りくるゾンビを撃ちまくっていた。

…そういうゲームなんですか?これ。

「わーい。最高記録更新〜」

「萌音ちゃんめっちゃ上手いな〜!さっきから連勝記録伸ばし続けてんじゃん」

「昔から変なことが特技なんだよ、萌音って」

「えへへー」 

ゾンビ系ホラーゲームが特技って。それ特技のうちに入るんですか?

幽霊には多少の免疫を得たけど、ゾンビは無理だった。

あ、ヤバい。また泣きそう。

僕は、必死に涙を堪えながら心の中で祈った。

教えてください、加那芽兄様。

ゾンビって、科学で証明出来るんですか…?
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