小羽根と自由な仲間達
第15章
息が詰まるような気分のまま、週が明け。
月曜日から、また授業が始まったが。
相変わらず、憂鬱な気分は晴れなかった。
授業中は勿論のこと、放課後の時間になっても…。
「…はー…」
無意識に出る溜め息。
本日何回目か、もう分からない。
土曜日、伊玖矢兄様は朝早くから外出していたが。
帰ってきたのは、夕方遅くになってからだったらしい。
おまけに夕食も外で食べてきたそうで、僕や加那芽兄様と一緒に食事をすることはなかった。
僕はともかく、加那芽兄様と夕食を共にするくらいは良いじゃないか。と思うのだが。
昨日の日曜日も、伊玖矢兄様は行き先も告げず、朝から外出。
加那芽兄様が「一緒に夕食でもどうか」と誘ったらしいのだが、伊玖矢兄様はすげなくお断り。
昨夜は屋敷に戻ることもなく、出先でそのままホテルに泊まったらしい。
なんと言うか…徹底的に、意識的に避けられている気がする。
気がする、だけじゃなくて…実際に避けられてるんだろうけど…。
原因を作ってしまったのが自分であるだけに、申し訳なくなってくる。
加那芽兄様は、「小羽根のせいじゃない」と言ってくれるものの。
僕がいなければ、あの二人は今よりもっと仲が良かったかもしれないと思うと、憂鬱な気分になってしまう。
…憂鬱と言えば、もう一つ。
ついに今週末に迫った、無悪家当主の誕生パーティーも…。
「…おーい、後輩君。どうした?」
「…」
思い悩んでいた僕は、まほろ部長が話しかけてきていることさえ気づかなかった。
「…駄目だ。後輩君に無視される。自分、なんか悪いことしたっけ?」
「してるだろ。無理矢理部活に勧誘したり」
「マジかよ。そんな昔のことをまだ怒ってんの?」
「意外と根に持つタイプなのかもしれませんね」
僕がボーッとしてる間に、言いたい放題言われている。
「李優君。パス」
「ったく…。…大丈夫か、小羽根。何かあったのか?」
李優先輩に、肩を揺さぶられて初めて。
僕は、ようやく我に返った。
「あ、はいっ…?」
「まほろに何かされたのか。俺が代わりに殴ってやるから、何をされたのか言ってみろ」
え?まほろ部長?
「ちょ、自分何にも悪いことしてないっての!なぁ後輩君」
と言って、まほろ部長は僕と肩を組んだ。
い、いきなり何なんですか。
「超仲良しだもんな!だろ?」
「え。あ…はい、そうですね」
「おい。『え』って何だよ。そこは躊躇わずに頷けよ」
えーっと…まぁ、その。
…仲良しですね。はい。
月曜日から、また授業が始まったが。
相変わらず、憂鬱な気分は晴れなかった。
授業中は勿論のこと、放課後の時間になっても…。
「…はー…」
無意識に出る溜め息。
本日何回目か、もう分からない。
土曜日、伊玖矢兄様は朝早くから外出していたが。
帰ってきたのは、夕方遅くになってからだったらしい。
おまけに夕食も外で食べてきたそうで、僕や加那芽兄様と一緒に食事をすることはなかった。
僕はともかく、加那芽兄様と夕食を共にするくらいは良いじゃないか。と思うのだが。
昨日の日曜日も、伊玖矢兄様は行き先も告げず、朝から外出。
加那芽兄様が「一緒に夕食でもどうか」と誘ったらしいのだが、伊玖矢兄様はすげなくお断り。
昨夜は屋敷に戻ることもなく、出先でそのままホテルに泊まったらしい。
なんと言うか…徹底的に、意識的に避けられている気がする。
気がする、だけじゃなくて…実際に避けられてるんだろうけど…。
原因を作ってしまったのが自分であるだけに、申し訳なくなってくる。
加那芽兄様は、「小羽根のせいじゃない」と言ってくれるものの。
僕がいなければ、あの二人は今よりもっと仲が良かったかもしれないと思うと、憂鬱な気分になってしまう。
…憂鬱と言えば、もう一つ。
ついに今週末に迫った、無悪家当主の誕生パーティーも…。
「…おーい、後輩君。どうした?」
「…」
思い悩んでいた僕は、まほろ部長が話しかけてきていることさえ気づかなかった。
「…駄目だ。後輩君に無視される。自分、なんか悪いことしたっけ?」
「してるだろ。無理矢理部活に勧誘したり」
「マジかよ。そんな昔のことをまだ怒ってんの?」
「意外と根に持つタイプなのかもしれませんね」
僕がボーッとしてる間に、言いたい放題言われている。
「李優君。パス」
「ったく…。…大丈夫か、小羽根。何かあったのか?」
李優先輩に、肩を揺さぶられて初めて。
僕は、ようやく我に返った。
「あ、はいっ…?」
「まほろに何かされたのか。俺が代わりに殴ってやるから、何をされたのか言ってみろ」
え?まほろ部長?
「ちょ、自分何にも悪いことしてないっての!なぁ後輩君」
と言って、まほろ部長は僕と肩を組んだ。
い、いきなり何なんですか。
「超仲良しだもんな!だろ?」
「え。あ…はい、そうですね」
「おい。『え』って何だよ。そこは躊躇わずに頷けよ」
えーっと…まぁ、その。
…仲良しですね。はい。