小羽根と自由な仲間達
李優先輩は、いつも通り大根おろしとポン酢がかかった牛丼を注文。

僕は普通の牛丼を頼んで、いざ実食。

タッチパネルで注文して、注文したらすぐに持ってきてくれるんですよ。早い。

さて味の方は、と食べてみると…。これがまた、びっくりするくらい美味しかった。

ね?僕の舌、単純でしょう?

今日はもう、『劇団スフィア』と言い牛丼と言い、僕は大満足ですよ。




「はぁ、美味しかった…」

「気に入ってもらえて良かったよ」

と、李優先輩はホッとしたように言った。

お世辞じゃないですからね、これ。本当に美味しいと思ってますから。

しかし、牛丼屋さんから出た頃には、既に辺りは真っ暗になっていた。

今から電車に乗って帰ってたら、もう完全に夜ですね。

「今日は遅くまで付き合わせて悪かったな」

「いえいえ…。楽しかったですから。誘ってくれてありがとうございます」

『劇団スフィア』、凄く良かったですよ。

絶対また観に行こう。

今度は、加那芽兄様を誘って観に行こう。

「家、大丈夫か?門限とか…」

「あ、大丈夫です」

門限なんて、特に言われたことはないし…。

加那芽兄様ならともかく、僕の帰りが少しばかり遅れてしまったところで、心配する人は…あんまりいない。

悲しいような、でもこういう時はちょっと有り難いですよね。

「こんな時間まで何してる!」って怒られなくて済む。

「家には連絡してあるんだよな?」

「はい、してますよ。だからだいじょう…ぶ…」

「…どうした?」

僕は、サイレントマナー状態にしていたスマホの電源を入れて、愕然とした。

…不在着信と、未読メールの数が。

…軽く、3桁超えてるんですけど?
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