小羽根と自由な仲間達
第17章
李優先輩と一緒に、『劇団スフィア』を観に行った翌日。の、放課後。




「萌音、復活」

萌音先輩が、部活動に帰還。

…元気そうで何よりですが。

「萌音先輩…。胃もたれの方は、もう良いんですか…?」

「ばっちり治ったよ」

えへん、と胸を張る萌音先輩。

「良かったですね…。今後は、食べ過ぎには気をつけましょうね」

「うん、分かってる。だから今朝は控えめに、クロワッサン20個しか食べてないんだー」

全然控えめじゃないんですが。本当に反省してます?

また胃もたれしたらどうするんですか。

「…」

ドヤ顔の萌音先輩を前に、李優先輩は、呆れて天を仰いでいた。

…心中お察しします。

すると。

「総員!総員聞けーい!」

突然、まほろ部長がパンパンと手を叩いた。

…何でちょっと軍隊っぽいんですか。

「これより、心霊研究部の部長たるまほろ部長から有り難い訓示が、」

「まほろさん。今は健康追求部ですよ」

「あ、そうだった」

部長なら、自分の部活の名前くらい覚えててくださいよ。

一瞬、また心霊研究部に逆戻りしたのかとびっくりしたじゃないですか。

「それじゃ、改めまして…健康追求部の部長たるまほろ部長から、有りがた〜い訓示がある!心して聞け!」

「…何だよ。下手くそな芝居してないで、普通に言えよ」
 
身も蓋もないですね、李優先輩…。

…僕もそう思いますけど。

「良いか、君達。明日は朝ご飯も昼ご飯も食べず、腹ペコで部活に来ること。これ部長命令だから」

…物凄く雑なノリで、唐突に断食命令が下された。
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