ペットボトルと頭痛薬
「雨、止む気配ないな」
「確か明日も雨の予報だった」
「最悪、マジでクソだな」
「クソだけど、そのうち晴れる」
「そうだ、晴れた日に好きだって告白するから、心の準備しとけよ」
「もう言ってるし、その時には冷めてるだろ」
「絶対冷めてないし、絶対告白する」
「そんな変わった方法で告白してくる人、藤野が初めて」
「やった、漆原の何かしらの初めてを奪えて俺は嬉しい」
「そんなことが嬉しいのかよ」
「嬉しい、かなり嬉しい」
「変な奴」
心底呆れたような声色だった。しかし、そこにはどことなく、温かみのある愛が僅かに含まれているように感じられた。透馬は気分が持ち上がる。今日みたいな天気の悪い日はすこぶる頭が痛く、苛つくほどに憂鬱でしかなかったが、永遠と会話をするきっかけにもなり、永遠との唯一の共通点も見つかり、また近い未来、関係性がプラスに大きく変わるかもしれないことに、透馬は心から期待し、顔を綻ばせてしまいながら、空のペットボトルを緩く握り締めたのだった。空に青が広がるその日が、今からとても待ち遠しい。
END
「確か明日も雨の予報だった」
「最悪、マジでクソだな」
「クソだけど、そのうち晴れる」
「そうだ、晴れた日に好きだって告白するから、心の準備しとけよ」
「もう言ってるし、その時には冷めてるだろ」
「絶対冷めてないし、絶対告白する」
「そんな変わった方法で告白してくる人、藤野が初めて」
「やった、漆原の何かしらの初めてを奪えて俺は嬉しい」
「そんなことが嬉しいのかよ」
「嬉しい、かなり嬉しい」
「変な奴」
心底呆れたような声色だった。しかし、そこにはどことなく、温かみのある愛が僅かに含まれているように感じられた。透馬は気分が持ち上がる。今日みたいな天気の悪い日はすこぶる頭が痛く、苛つくほどに憂鬱でしかなかったが、永遠と会話をするきっかけにもなり、永遠との唯一の共通点も見つかり、また近い未来、関係性がプラスに大きく変わるかもしれないことに、透馬は心から期待し、顔を綻ばせてしまいながら、空のペットボトルを緩く握り締めたのだった。空に青が広がるその日が、今からとても待ち遠しい。
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