りっこ
「あのね、莉奈。」

「お母さん再婚することになったの。」

稲妻のような衝撃が走る。

「えぇえぇ??!!!」

押さえきれないほど大きな声が出てしまった。

うつむきながら母は申し訳なさそうに続ける。

「突然なことはわかってる。簡単に受け入れるのが難しいのも。だけど…!!」

「大丈夫だよ。」

私はめいいっぱい穏やかに笑った。

「お母さんずっと私の為に頑張ってきてくれたもん。それにお母さんが選ぶ人なんだからきっと素敵な人なんでしょ。」

父が亡くなってから10年。

一番悲しかったのはお母さんなはずなのに。
お母さんはこれまで1人で精一杯私を育ててくれた。

お陰で私はこれまで何不自由なく暮らすことができたし、父がいないぶんも母は私とたくさん思い出を作ってくれた。

「明日にね、相手の方と一度会ってもらいたいの。実は相手の方も奥さんを亡くしてらして。」

「双子のお子さんがいるらしいの。」




< 1 / 6 >

この作品をシェア

pagetop