りっこ
「おとこ…???」

私の言葉が拾われる前に


「遅れてごめんなさい!!!」


聞き慣れない低い声がふたつ(・・)聞こえた。

目に入ってきたのは制服を着た茶髪と黒髪の男子。

すらっとした立ち姿が2人とも印象的だった。

「千春、千夏!!遅れるとは何事だ!!」

「ごめん父さん。電車が遅れてて。」

喋ったのは茶髪の方。

「だから部活は出ない方が良いと言ったのに。まぁ座りなさい。ごめんね(ゆかり)さん、(みどり)ちゃん。」

2人は啓介さんの両隣に座った。

私の前に黒髪の子が座る。

「遅れて本当に申し訳ない。こっちの黒髪が千夏、茶色のほうが千春だ。16歳で高校一年生、翠ちゃんと同い年かな?」

「あぁそうですね…」

えぇおとこなの…??男子なんて聞いてないんですけど!!!
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